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CALEB'S KOLA試飲レポート

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アメリカで2014年に地域限定で発売された話題のクラフトコーラ「Caleb's Kola」。ようやく入手できたので、飲んでみた。

CALEBという言葉を聞いてピンと来た向きはかなりの通だ。本品の名称はペプシの創業者 Caleb Bradham 氏の名を冠した、ペプシ初のクラフトコーラなのだ。原材料にはKola nutの抽出物やフェアトレードのサトウキビ、複数のスパイスなどの天然素材をふんだんに使用。数百回の試作を経てゼロから配合を開発した下りは、同氏が100年以上前にペプシを完成させたプロセスを連想させる。なおペプシンは入っていない。

興味深いのはペプシが製造・販売していることが巧みに隠されている点。販売元はフロリダのCALEB's KOLA LLC となっていて、パッケージや専用サイト(http://calebskola.com)にもPEPSIに関する記述はない。同社のプレミアムコーラ「1893」(こちらはペプシの誕生の年に由来するブランドだ)がペプシの新旧ロゴを全面に押し出しているのとは対照的だ。大看板を外し、新しいブランドで収益性の高いクラフトコーラ市場への橋頭堡を築きたい思惑が透けて見える。

発売当初はアメリカ一部地域のCostcoのみでの限定販売され、その後米東海岸のレストランの一部でも購入可能となった。専用サイトでは最寄りの入手場所が郵便番号で検索できるようになっている。ただ残念ながら現在はこのサービスに登録されている店舗はなく、通販で唯一アマゾンに取り扱いがある。

プレミアムコーラの租RC draftを彷彿とさせる、10オンス(296ml)の濃いアンバーのガラス瓶を採用。ブルーのラベルとのコントラストが美しい。開口部にはツイストキャップが採用されている。

砂糖のしっかりとした甘の後に、オレンジをアクセントにした爽やかなフレーバーとスパイス・カフェインの良質な余韻が楽しめる。その奥深い後味は、比較で飲んだ1893が薄っぺらく感じられたほど。コーラナッツを使った製品にありがちな雑味や酸味はなく、飲み進んでもくどさが出ないのも高得点。尖ったところはないがつい飲み進んでしまう、ペプシ渾身のハイレベルなクラフトコーラであった。

話題を呼んだ本品の発売から既に3年。この完成度をもってしても、本品が市場で受け入れられているとは言い難い。プレミアムコーラ市場は大手が成功できるほどには成熟していないのかもしれない。

posted at 01:33:06 on 2017-03-19 by NAKAMOTO Shinsuke

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