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Cola Collectibles / PEPSIMAN SOUND BIG BOTTLE CAP
中本 晋輔

ボトルキャップ 本来ならこのアイテムは「今月の珍品」で紹介すべきものなのだが、その強烈な存在感と知名度の高さから敢えてこちらのコーナーで取り上げる事にした。今月の一品はペプシ1周年記念キャンペーンの真打、ペプシファン垂涎の的のレアアイテム・"PEPSI-MAN SOUND BIG BOTTLE CAP"である。

ご存知のように本品はPEPSI 500mlペットボトルの景品として登場したペプシのオリジナルアイテム。ボトルの内側にくじが印刷してあって、ある程度飲むと「アタリ」「ハズレ」が見える仕組みになっている。当選確立はかなり低く設定してあるようで、知名度のわりに実物を手に入れた人は殆どいないというまさに「幻の一品」である。

実物を見てまず驚くのはそのサイズ。とにかくデカいのだ。普通のボトルキャップと比較すればこいつがどれほど凄い存在感なのかお分かり頂けるだろう。フィギュアの完成度も高く、細部まで精巧に作られている点に好感が持てる。肩の部分には関節が内蔵されており、簡単ではあるがポーズをつける事もできる。もちろんお約束の「SHWAAAAA」のポーズも可能だ。また内側にはちゃんとペットボトルの蓋に合うように溝が切ってあるので通常のボトルキャップとしても使用できる。ただしでかいので、開封時はボトルキャップを固定してペットボトル本体を回転させるほうが効率的だった。

背面 その上背中にスピーカーを搭載しており、ボタンを押すとCMでお馴染みの「ペプシマンのテーマ」が流れるという手の込みよう。中国アセンブリーのため電池交換ができないのが痛いが、取りあえず連続使用で100分(約400回)くらいは持つらしい。ちなみに取説には「電池がなくなった後はボトルキャップとしてご利用ください」という寂しい記載がある。当選しても浮かれて使い過ぎないよう注意が必要だ。

また本体以上に面白いのがケースである。全て英語表記で一瞬トイザらスによくあるアメリカ直輸入玩具のように見えるが、実はMADE IN CHINA。英語もどことなく奇妙で英語を母国語とする人が書いたとは思えない胡散臭さが漂う(この「ぱっと見アメリカ製だが実は中国製」はペプシのグッズに共通する特徴である。ペプシの戦略なのか?)。裏面にはボトルキャップ全18種類の写真と名前、側面にはペプシマンの英語の説明など興味深い情報がぎっしり詰まってるのはファンにとっては嬉しい限りだ。その下の「店では売っていません。友達に見せびらかそう」というやや感じの悪いペプシマンの台詞がいかにもペプシらしく、笑いを誘う。

圧倒的な実用性の低さと過剰なまでの演出。これこそまさにペプシグッズの真骨頂である。おそらく本品を超えるボトルキャップは未来永劫作られる事はないかも知れない。数あるペプシ・グッズの中でも この"PEPSI-MAN SOUND BIG BOTTLE CAP"はペプシファンの間で語り継がれる伝説のアイテムとなることだろう。


[四季報 1999年7月号] [コーラ白書] [HELP] - [English Top]
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