コーラ白書
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今月の珍品「ジョルト党リュック」

中本 晋輔

例年にない盛り上がりを見せた今年の参議院選挙。80%以上の支持率が背景の小泉政権に対して野党は大橋巨泉や大仁多厚などのタレント候補者を投入し物議を醸した。しかしこれらの候補者を越える大物タレントが党を立ち上げ、みずから党首になった事があるのをご存知だろうか。そう、北野たけしの「ジョルト党」である。(スポーツ平和党と答えた人は一回休み)

ちょっと説明しておこう。1990年春、UCCはカフェイン2倍コーラ「JOLT COLA」の発売を開始した。このときUCCは北野たけしを起用、これまでの常識を覆す強烈なキャンペーンを展開した。そのなかでビートたけしは「ジョルト党党首」を名乗り、ジョルトの缶が積み重ねられた塔に登りながら党の結成を宣言したのだ。このあまりにもインパクトの強いCMはのちの俵幸太郎の「タブクリア」と並び、おっさんによる「非さわやか系コーラCM」として語り継がれている。今回はそのジョルト党のオフィシャルグッズ(?)「ジョルト党リュック」を紹介したい。

このアイテムは縦50cm * 横30cm * マチ10cm の中サイズリュックで、発売を記念したプロモーショングッズとして作られたものだ。正面には初期のJOLT缶を持った党首ビートたけしの姿がデフォルメ調で描かれている。10年前ものとあって、近年のイメージと若干ちがうように感じられる(サスペンダーとかしてるし)。缶を持つ手の下には「ジョルト党、党首。」の文字、その横にはサインが入っている[写真]。UCCのサンバイザーがポイント高い。

さらに背面にはジョルト党の党則なるものが書かれているのだが、これがやたらと腰砕け。「ジョルト以外はコーラとは思わないよう努力する」「ジョルト以外を口にすることは人前では極力避ける」と、まさにツッコミどころ満載だ(ある意味妥当な党則にも思えるが)。ジョルトほどのポテンシャルがあればギャグ路線にしなくてもいいのに・・・。北野たけしを起用する以上避けては通れなかったのか。

10年前に圧倒的なインパクトで登場したジョルトコーラも、今年から生産が打ち切られた。党首が登ったジョルトの塔はその実力を発揮しないまま崩れてしまったように思えてならない。

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