コーラ白書
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今月の一冊「PLAYBOY 1972年12月号」

中本 晋輔

クリスマスの風物詩といえば何といってもサンタクロース。髭をたくわえ赤い服を着た彼のイメージを作ったのがコカ・コーラであるのは有名な話である。サンブロムが1931年にコカ・コーラの広告で描いて以来このサンタは世界中に広まり、同時に「サンタ=コーク」のイメージは広く認知されるようになった。

その後このイメージは色々な場面で使われるようになったが、その影響はアメリカの男性誌"PLAYBOY"で使われるほどであった。今回はその1972年に発行された"PLAYBOY"12月号を紹介したい

まずとりあえず写真を見て頂きたい。赤いサンタの衣装を着たねーちゃんが前をはだけながら微笑む姿はいかにもPLAYBOYのクリスマス号らしい。このコスプレっぽいねーちゃんについ目を奪われがちだが、注目すべきはその隣。赤い円には「ENJOY OUR Cola Edition」と入っているのだ。そのうえColaの字がコカ・コーラのロゴと同じである。これは一体何なのだろうか。

これはつまり1930-50年代のコカ・コーラのサンタ広告をPLAYBOY風にアレンジしたものなのだ。その証拠に「ENJOY OUR Cola Edition」などと書いているわりにコーラに関する記事は何一つ載っていない。この赤い円もこの頃の広告に見られるロゴマークのコピー[比較]。この表紙絵にはコークファンの心をくすぐる仕掛けがいくつも隠されているのだ。

またこの号のPLAYBILL(編集後記)には次のような記述がある。"These images are revived expressly for PLAYBOY by the artist who originally created them - Chicago painter Haddon Sundblom" そう、この表紙絵を書いた人物は、コカ・コーラの広告を手がけサンタのイメージを確立した画家、ハッドン・サンブロムその人なのである。いわれてみると確かに肌の質感や影のつけ方がよく似ているが、まさか本人とは・・・。

今年もあと1ヶ月足らずでコカ・コーラのクリスマスエディション缶がリリースされる。でもサンブロムがこんなサンタも描いていたことを知ってしまうと、コカ・コーラのサンタを見る目も少し変わってしまうかもしれない。

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