中本 晋輔
いまでは人気がやや下火になった感のあるPEPSI-MANだが、登場した当初のブレイクぶりは凄かった。キーホルダーや携帯ストラップ、凝ったギミックのフィギュアなどが次々と発売され、プレイステーションでゲーム化されるほどであった。そしてその人気に便乗しようとするコピー製品がアーケードで数多く見られたのもこの頃である。
そしてこのアイテムも特に明記してある訳ではないが、ペプシマンを意識しているのは間違いあるまい。今回は大学の生協で売られていた謎のシールを紹介したい。
本品はシールメーカーのBASELから発売されたステッカーシリーズの一つで、正式名称は「Basel ぷっくりシール CGイラスト 正義の味方」というらしい。ぷっくりという件からもわかるようにやや厚みのあるシールで、透明フィルムを使って貼り付けるというタイプのものだ(ぷっくり感)。そこまではいいのだが、問題はそのキャラクターである。
描かれているのは銀色のボディの「正義の味方」。胸には赤と青のハートのマークと首もとの銀のネックレス、それに驚いたときの口の形。キリンラガーとサッポロファインラガーなんて問題にならぬほど初代ペプシマンにクリソツではないか。「私が本者です」みたいな突っ込みにくいギャグ(?)もあり、こちらが困惑してしまう。
これが売られていたのは「サザエボン」や「アムロ波平」といったパロディキャラクター全盛。おそらくこれも同じようなコンセプトで作られたもなのだろう。ただ著作権問題のためか「ペプシマン」という言葉を使っておらず、そのためなんだか中途半端な同人ステッカーみたいになっている。
また本品ではペプシマンもどきが「正義の味方は歯が命」とのたまっているが、これはもちろんアパガードのCM「芸能人は歯が命」のパロ。またリサイクルマークのパロディ「マワセ」(何を?)もあり、もう何がなんだかわからない。いったいこのステッカーをどこに貼れというのだろうか?そしてなぜうちの大学の生協はこれを仕入れたのか。このシールには謎が多すぎる。
一ついえることは、当時はパロディのネタにされてしまうほどペプシマンに勢いがあったということだ。今年もイチローキャンペーンなどで出番は少なそうだが頑張ってほしいものだ。