コーラ白書
TOP四季報データベース缶コレ資料館殿堂検索ヘルプ
English

Cola Collectibles 「湾岸戦争勝利記念 Jolt ボトル」

中本 晋輔

右の共和党と左の民主党という2大政党制を敷くアメリカは政権が替わるとたちどころに政策が転換する。共和党の中でもブッシュの家系は特に戦争好きのようで、昨年のアフガニスタンなど親子二代で2回の大規模な海外派兵を行っている。今回は先のブッシュ(親父)が行った湾岸戦争時に製造されたJolt Colaの記念ボトルを紹介したい。

本品は1991年製のロングネックボトルで、缶と同じ12オンス(354ml)。本品が通常のボトルと一線を画するのは、中央に配されるロゴが取り払われ、代わってキャンペーンに参加したアメリカ兵への賛辞の言葉が記されている点である。その内容も「JOLT... Salutes the U.S. Armed Forces of Operation Desert Storm」というもの(拡大写真)。通常このような愛国心に訴えるものならロゴを目立つところに入れたいと思うところだが、このボトルではネックに控えめに入っているだけである。

メッセージの裏には同社のシンボルである稲妻が赤で入っており、特にコーラの入った状態では非常に洗練された印象を与える。JOLTのロゴはネックの裏と表に印刷されているが、すでに中央に使っているためか通常「O」を貫通している稲妻が入っていない。こういったちょっとした遊びもJOLTらしくて面白い。文字はすべて赤・黄・白で書かれているが(写真)、これは中身が入った状態での見やすさを考慮してのものだろう。

当時米国の本格的な海外派兵は敗北したベトナム戦争以来のことで、その勝利の報は国民に熱狂的に受け入れられた。本品がJOLTの唯一の記念ボトルであることからも、当時の風潮が伺える。(同時期にPEPSIも同じコンセプトの記念缶をリリースしている)。
現在アメリカはブッシュ(息子)が「対テロ戦争」を合い言葉にアフガンに派兵、一方的な勝利を収めたが、これを記念するコーラは今のところ発売されていない。アメリカ国民は今回の件では意外と冷静なのかもしれない。