今月の珍品「afri-Cola トランプ」

中本晋輔

最近遊ぶ機会が少なくなったとはいえ、正月や旅行など人が集まるときにはトランプは欠かせないものだった。相手に見せる面を「広告」にできるトランプは宣伝効果が大きいため、ノベルティや販売など様々な形でコーラの媒体として使われてきた。

今回はドイツのコーラ「afri-Cola」の、ちょっと変わったノベルティトランプを紹介する。

製造はカードゲームで有名なドイツの老舗メーカー F.X.Schmid社。裏面は明るいオレンジ色に、白抜きで特徴的なafri-Colaのロゴが上下対象に入っている。ダイヤモンド(菱形)を使ったデザインは60−70年代の缶に使われており、このトランプもその流れを汲んだものだろう。

数字面は赤や緑などの原色をふんだんに使われていて、かなり派手目。独特のシンボル(団扇みたいなの何?)や中世画を思わせるタッチのグラフィックが多用されていて、ものすごく「怖い」トランプになっている。確信犯なのかこれが当時のスタンダードなのかは分からないが、子供なら間違いなくトラウマになるほどのインパクトだ。

日本のトランプは52枚一組だが、こちらは数字の2〜6がない32枚セット。ドイツではゲームにあわせていくつかの組み合わせがあり、本品はスカート(Skat)というゲーム専用にデザインされたもののようだ。またSkat用にJackをUnter、QueenをOberと呼ぶが、このカードでもそれぞれU, Oと表記されている。

デザインのインパクトとカルト的な「怖さ」、それに遊ぶゲームを選ぶマニアックさは、かつてカフェイン量最大のコーラとして君臨したafri-Colaの姿と重なる。これを狙って作ったとすればafri-Colaは侮れない。

トランプ柄
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■参考


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