Topics! 2001/03/20
日本コカ・コーラは2001年の通年キャンペーン「No
Reason」を3月1日より本格的に開始した。同社は今回イメージキャラにサザン桑田佳祐が採用された事で、かなり話題性の高いものになっている。
今年のキャッチフレーズは「No Reason ココロが求めてる」。これまでの日本のキャッチと違って、「コカ・コーラを飲むのに理由は要らない、飲みたいから飲むのだ」という具体的なメッセージが含まれているのが興味深い。アメリカでは既に40年代に「Thirst knows no reason」という心に訴えるタイプのキャッチが使用されており、今回もその流れを汲むものといえるだろう。フォントも手書き風の力強いものが採用されていて、ボトルのシルエットを重ねたCoca-Colaロゴとあわせてインパクトの強いデザインになっている。
そしてなんと言っても今回の目玉はサザンのボーカル・桑田佳祐の採用である。今回コカ・コーラは自販機やルートトラックのほとんどに桑田氏のポスターやステッカーを添付するなどかなり徹底してキャンペーンを展開している。また3月1日より始まったCMも自身が作曲したCMソングを桑田氏がギターに乗せて歌うという、彼のイメージを存分に引き出した構図になっている。ポスターでもCMでも青空がやたら強調されているのが興味深い。
桑田氏がコカ・コーラのキャンペーンに登場するのは実は今回が2回目である。初回は1987年のキャンペーン"I feel Coke & Sound Soecial"で、HALL & OATESと競演したビデオ（当時はまだVHSとβが選択できた）やオリジナルテレカが抽選であたるというものだった。また1999年にサザンはコカ・コーラのロゴデザインをフィーチャーしたライブビデオを発売しており、両者の相性の良さが窺える。
今回「No Reason」キャンペーンにあわせて記念缶（写真上）と記念ボトルが発売されている。特にボトルは関東の一部でのみ発売された250mlのワンウェイボトル2本がセットになったもので、携帯ストラップまでついているおトクな一品だ。また具体的なキャンペーンとしては500ml PETを対象とした「ラベルをこすって！ アタル！！」がスタート。これはスクラッチ方式のキャンペーンで、あたりが出ればNo Reasonオリジナルデザインのミュージックギフト券1,000円相当がもらえるというものだ。
PEPSIが公開比較実験という理性に訴えるキャンペーンを開始するのに対し、コカ・コーラは「ココロが求めてる」を合言葉に本能（？）に呼びかけるキャンペーンを展開するという興味深い構図となった夏のコーラ戦争。はたして勝利の女神はどちらに微笑むのだろうか。
（中本）
