コーラ津々浦々
渋谷Georgia Cafe
中本 晋輔

最近忙しくてネタが地元に偏りがちな「コーラ津々浦々」。 今月は夏休みスペシャル第一弾と言うことで、奮発して東京取材を決行してみた。 今回取り上げるのは日本初、コカ・コーラ直営の喫茶店「Georgia Cafe」である。 評判があまり宜しくないこの店の真相は如何に?
取材といったってどこかから金が出る訳ではない。 全て自費で賄わなければならないのだが、取りあえず金が無い(涙)。 その上学割を取り忘れたとあっては新幹線は使えない。 仕方なく私は夜行バスの往復チケットを横浜まで買い、 横浜市内に下宿している友人Dの家に泊めてもらう事にした。 余談だがこの友人Dこそ私に競馬を教えた張本人なのである。 彼が私の人生に及ぼした影響はあまありにも大きい。

冷房の効きすぎたバスが横浜西口に着いたのが午前6時。 マクドも何も開いていない時間である。 時間をつぶす所が無いので取りあえずDの家に向かう。 絶対寝ていると思って電話してみると意外にも彼の冴えた声。 話によると彼は部屋を徹夜で部屋を片づけていたらしい。 その間発生したゴミ袋はなんと9袋にものぼったという。 これはワンルームマンションから一晩に発生する量としては21世紀まで破られない記録だろう。 いったいどんな部屋やってん!

軽い朝食を取った後、早速出発・・・と思ったら、 徹夜の掃除に疲れたDはいきなり寝てしまった。 仕方なく私はプレステで時間をつぶす事になる。結局出発したのは11時半。 横浜からJR東海道線、山の手線を乗り継いで渋谷のGeorgia Cafeへ向かった。

渋谷到着12時25分。 生まれてまだ2回しか来たことのない渋谷のイメージといえば、 ハチ公像と毛染めニーチャン達ぐらいであった。 ちなみに私の持っているガイドブックには 「ファッショナブルな街・芸術の香り高い散歩道」と少々恥ずかしい記述がある。 駅を降りてみるといきなり人の波! 夏休みに入っているとはいえ、この暑いのによくこれだけ人が集まるものだ。 大阪で言えば難波・恵比寿橋みたいなんだろうが、 恵比寿橋筋が線状に伸びているのに対してこちらは駅を中心に放射状に広がっているといった感じである。 うーむ、おそるべし渋谷!

街が全体に広がっているものだから、 目的のGeorgia Cafeを見つけるのは困難を極めた。 当時私の持っていた情報は「公園通り沿いにある」という事だけで、 その公園通りがどこか分からない。 友人Dも渋谷に詳しい訳ではなく、二人そろって迷子のお上りさん状態である。 途中TOWER RECORDや東急ハンズで涼を取りながら我々は捜索を続けた。

ようやく公園通りを見つけたのは2時近くになった頃だった。 それから、 街路樹の青々と繁った感じの良い通りの一角に青い屋根の洒落た喫茶店を見つけるのにさほど時間はかからなかった。 ついにGEORGIA CAFE発見! やっと見つけたという喜びよりも暑さと喉の渇きで私とDは早速入ってみる事にした。

1階はベージュを基調とした感じの良いカウンター席のフロアで、 オーダーもここで行う仕組みになっている。 メニューはカフェだけあってコーヒーやカプチーノなどが主だが、 カップに入ったケーキや、 コカ・コーラ、コカ・コーラライトまでほとんどのものがそろっていた。私はアイスカプチーノのチョコミント、Dはフルーツ&ナッツを注文すると、 すぐにちゃんと泡立った、 ミルクとコーヒーが分離したアイスカプチーノがアルミの皿に載せて出てくる。 うーむ、なかなか本格的である。 よくアメリカで行ったスターバック・コーヒーみたいでなんか嬉しいぞ。

カプチーノを持って階段を上る。 2階はテーブルの置かれた普通の喫茶店様式で、 左手壁には大きく「GERORGIA」の文字が。 大きな窓からは外の街路樹と公園通りが見えて良い雰囲気である。 窓の近くの席に座り早速カプチーノを飲んでみる。 ・・・・なんだ、美味いじゃないか! GEORGIA ORIGINAL(自販機で売ってる250mlのやつ)の味がしたらどうしようかと思ってたけど、 ちゃんと苦みのあるカプチーノだった。コカ・コーラもやれば出来るじゃないか。 これで一杯280円(税込み)はお得だ。

結論。渋谷へ行ったらGEORGIA CAFEへ行こう。 少し遠いけど、一息つきたい時にはなかなか使えるスポットである。 喫茶店としてはレベルは高いぞ。 ただし缶コーヒーのGEROGIAを期待していくとがっかりするので、 そういう人は自販機で買って店の前の木陰で飲む事をお薦めする。

コーヒーにすこぶる満足した私と友人Dはしばらく渋谷見学をした後、 TCKへと向かった。TCK、東京シティ競馬である。 トゥインクルの照明が輝き、馬が砂埃を立てて走りすぎるのを、 手に焼きはんぺん(150円)と過剰人気になったスーパーオトメ号の単勝を握って夏の夜風に吹かれながら見るのはまこと心地の良いものである。 昼間とのギャップを楽しみながら、たまには東京もいいもんだなぁ、などと、 ちょっと思った。


[8月号表紙]
コーラ月報8月号

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