特集
思い出のジュース達
中本 晋輔

コーラを探し求める人生の中では,予期せぬモノとの出会いもある。 今回の特集では, 筆者のコーラ収集生活の中で偶然にも捕獲された変なジュースを紹介しよう。
こんにちは、中本です。 先月号で「カフェイン論」と「対決・キャンペーン編」 と頭を使う物を立て続けに書いたら、いきなり反動がきました。 そこで今月の特集は私が今まで出会ったジュースの中で、 特に印象に残った物を紹介するコーナーにしたいと思います。 コーラを探していると、いろんな変な奴等に出会ってつい買ってしまいます。 今回はそんなジュースを大放出!ってなわけで、 皆さんも脳みそ使わずに楽しんでください。

1. 直球・156km/h。

 名称  サイダー
販売者 カゴメ株式会社
ぎゃはははははははは、たしかにサイだ! こういうストレートなネタ、好きなんだよなぁ(笑) 。 「サイダー」→「サイだ」という発想は誰しも思い付くだろうが、 それを実行に移せる人は多くないぞ。 またこのサイの絵が全然ふざけてなくて、 この駄洒落に揺るぎ無い自信を持っているのもポイント高い。 頑張れカモメ! ケチャップだけ作らしとくにはもったいないセンスである。

2. 類似品に注意。

 名称  スカール
販売者 株式会社ヤクルト本社
始めに断っておくが、これは乳酸飲料スコールではない。 ヤクルトの炭酸飲料スカールなのである。 後ろには「SUKAR」と英語のロゴまで書いてある。 これでは 騙されたくても気付いてしまいそうだ。 しかしいろんなもの作ってるな、ヤクルトは。

3. 徳島農協の底力。

 名称  ザ・スダチ
販売者 徳島県経済農業協同組合連合会
一見スポドリに見えるが、これは果汁10%のスダチジュースなのだ その名も「ザ・スダチ」、肩書きは「ふるさと柑橘飲料」! ひーっ、なんなんだこのセンスは。 特に定冠詞 "The" と「スダチ」の組み合わせはすでに食い合わせの領域に入っているぞ。 とりあえず美味しかったけど。

4. その組み合わせはちょっと。

 名称  ソーダス チョコバナナ風味
販売者 カネボウフーズ株式会社
食い合わせといえばまだスケールのでかい奴がいる。 カネボウフーズの「ソーダ ス・チョコバナナ風味」がそれである。 なぜチョコレートとバナナに炭酸を混ぜる? 炭酸コーヒーを売り出したペプシコさえ、 チョコレートには手を出していないのに。 果汁は入っておらず味は香料とカカオだけだが、 激しく不味かったのを憶えている。かなりいけてない。

5. 暁のガラナ対決

(左) 名称  カフェガラナ
    販売者 ペプシコ・ジャパン
	
(右) 名称  ターミネーター
    販売者 株式会社チェリオ

サントリー「Beatonic」の成功で一躍ブームになったガラナ飲料。 今年の夏は各メーカー競ってガラナ飲料を戦線に投入してきた。 その中でも独自色を保ち他社の製品とは違ったベクトルを持つ物もある。

まずはあまりにも有名なペプシコ・ジャパンのカフェガラナ。 ガラナとコーヒーというカフェイン系飲料を混ぜた挙げ句炭酸で割ってしまったという強者だ。 缶の説明書きも「ライト&シャープなリフレッシュテイスト」 「コーヒーのほろ苦さとガラナの甘さがクールにマッチ」と日本語が崩壊している。 大丈夫か、ペプシ?

チェリオだって負けてはいない。 いきなりターミネーターである。 なんか飲んだ瞬間殺されそうなネーミングだ。 「ダイ・ハード」や「砂漠の嵐」など凄い飲料を次々と送り出して来たチェリオ魂は未だ健在のようである。

6. 清涼飲料水の限界。

 名称  こんにゃくしるこ
販売者 カネボウフーズ株式会社
自販機にコーンスープやお汁粉が並ぶ光景は冬の風物詩である。 こういうのを寒い日に買って、 手を温めながら具が残らないように飲むのはなかなか趣がある。 だがここに、何故か汁粉にこんにゃくを投入したメーカーがある。 ・・・・カネボウ、またお前か。 こんにゃくを食べた人なら解ると思うが、奴は異常に弾力が強い。 某メーカーのコンニャク菓子でお年寄りが喉を詰めたという話があるほどだ。 これをいくら 「白玉風」と書いても「はいそうですか」というわけにはいかない。 油断をしていると飲み込んでしまうし、噛んだら噛んだで妙に歯ごたえあるし、 対処が非常に難しいのだ。 それでいて肩書きは「清涼飲料水」だったりする。ジュースの道は深い。

7. 張り合うなよ。

(左) 名称  Cool Up
    販売者 ペプシコ・ジャパン

(右) 名称  Cooldown
    販売者 ポッカ・コーポレーション

・・・・・うーん、なんかこいつら張り合ってないか? 両方とも夏用の清涼飲料 水なんだけど、Cool downは微炭酸スポドリ、 Cool upはメントール系飲料なのだ。 ちなみに文法的に正しいのは後者。 それよりも気になるのはCOOL UPのロゴの下の表記だ。 「ネットサーフィン・ドライブ・デートの前のクールアップに!」! ドライブ、デートの前に飲むのは良いとしても、 ネットに行くのにもクールアップしなければならないのか! ということはコーラ月報の原稿に息詰まって逃避でネットに行って、 ぞのまま疲れて寝てしまって気付いたら8時間つなぎっぱなしだった私のような人間はなってないという事なのか? 今後気を付けよう。

8. 黄色4号と青色1号の織り成すファンタジー。

 名称  シーホープサワー
販売者 (株)大川食品工業
これはコーラ月報5月号の「コーラ津々浦々 通天閣・新世界界隈」でも取り上げた謎のジュースである。 新世界にはここでか見られない珍しいジュースが多数確認されているが、 その中でも筆頭格なのがこのシーホープサワーである。 とにかく色が強烈。 この美しいパステル系の緑色を食べ物で作り出すのは至難の業だろう。 まさに芸術である。

味の方も、脱脂粉乳が入っているとは思えないすっきりした喉ごしと、 得体の知 れない酸味が不思議な印象を与えてくれる。 最後に緑の粉が残るのもなかなか不気味だ。 7月18日にフェスティバルゲートがオープンしてますます活気づいてきた新世界だが、 こういう大阪の秘境的な部分も残しておいて欲しいものだ。

9. 幻のコーヒー。

 名称  UCC ORIGINAL
販売者 ユーシーシー(株)
最後に、別に変ではないけど妙に印象の強かった奴を一つ。 ユーシーシーは何かイベントがあるとその記念缶を出す事で有名で、 この夏もEVA缶を出して話題になったが、 実は幻となった東京都市博の記念缶も出しているのだ。 うーん、いったい価値があるのかないのか、全く分からないぞ。

というわけで、今月の特集はこれでおしまい。 皆さん楽しんで頂けただろうか? コーラと関係ないやん、と言う声は敢えて無視して、皆さん、どうか良い夏休みを!


[8月号表紙]
コーラ月報8月号

Copyright (C) 1997-2014 Shinsuke Nakamoto, Ichiro Nakahashi.
当ウェブサイトに記載されている会社名・商品名などは、各社の登録商標、もしくは商標です