特集 コーラ・ボトルコレクション
中本 晋輔

「瓶入りのほうがおいしいと良く言われますが, 中身は(缶入りと)全く一緒です。」

これはコカコーラの工場見学の時に説明にあたったおねえさんの言葉である。 清涼飲料の誕生時にその容器として選ばれ、 その重厚な存在感と美しさで人々に愛され続けているボトルには、 缶には無い不思議な力がある。 今回の特集ではこの魅力溢れるコーラのガラスボトルのうち、 コカコーラとペプシコーラ製のものを取り上げてみた。

Old Coke 1.Coca Cola (日本)
コカコーラの象徴「ボブルスカート」瓶は、 類似品対策として1910年代に開発されたものである。 コカコーラが世界進出するにつれこの瓶は多くの国に広まっていった。 これは日本のもの。 現在では新瓶が主流になりロゴがカタカナ表記の物(本品)は姿を消しつつある。 押さえるなら今だ!

Old Coke 2.Coca Cola 100周年記念ボトル(日本)
コカコーラの誕生100周年を記念して作られたボトル。 デザインは1905年頃使用された瓶の復刻版で、当時話題になった。 何故か難波のゲームセンターで1本3000円(空瓶1000円)で売っている。

Old Coke 3.Coca Cola 350mlボトル(日本)
1994年頃に製造されたボトル。 「ボブルスカート」のイメージを保ちながら, 缶と同じ350mlの容量があるのが興味深い。 また蓋も王冠ではなくスクリューキャップである。 一時期全国的に広まったが小型ペットボトルが認可されると速攻なくなってしまった。 この他300mlボトル、500mlボトル等もあった。

Old Coke 4.Coca Cola 5th Avenue ボトル(アメリカ)
ニューヨーク5番街にあるコカコーラ直営店 "Coca Cola 5th Avenue" のオリジナルボトル。 裏の洗練されたロゴがやたらかっこいい。 この店はコカコーラグッズだけではなく, 滅多に見れない昔のレアアイテムの展示などもあるので、 機会があれば是非行ってみて欲しい(註1)

Old Coke 5.Coca Cola アトランタオリンピック記念ボトル(アメリカ)
1996年にコカコーラの発祥の地、 アトランタで開かれたオリンピックの記念ボトル。 10000本限定で、一つ一つに通し番号が打ってある。 オリンピックの記念ボトルは純粋に記念品として作られているため、 中身は入っていない。それにしても金メッキとは凄い。

Old Coke 6.Coca Cola 長野オリンピック記念ボトル(日本)
「長野オリンピックオリジナルボトルプレゼント」という、 この冬のコカコーラのものの中で最もマイナーなキャンペーンの景品。 あまりにマイナーで本物かどうか不安になったが、 コカコーラ・ナショナルセールスの純製であった。 裏面に名前を入れてくれるとの事だが、 実物は名前の印刷されたシールが貼られているだけ でちょっと寂しかった。

Old Coke 7.PEPSI-COLA 300mlボトル(日本)
ペプシが全国展開する以前から使用されていた300mlボトル。 古いロゴマークが懐かしい。 現在でもたまに駄菓子屋で見かける事がある。

Old Coke 8.PEPSI-COLA TRY!PEPSI 200mlボトル(日本)
93年に始まったペプシの本格的市場参入にあわせて作られたボトル。 多くの人にペプシの味を知ってもらうのが目的で、容量200mlで価格は60円だった。 ラベルに"Special Price"とあるが、200mlで60円はあまり安くないと思う。

Old Coke 9.PEPSI-COLA キックオフボトル(日本)
ペプシは若年層をターゲットにした戦略で知られ、 93-94年には当時ブームとなったJリーグをキャンペーンに取り入れている。 このキックオフボトルもその直に製造されたものである。 この時のキャンペーンは「アルシンドのサイン入りサッカーボールが当たる」 というもので、歴史を感じさせる。 この他にもロケットボトル等があった。



今回のボトル特集はいかがだっただろうか。 私はボトルコレクターでないのでコーク・ペプシ関連のボトルはこれだけしか持っていないが,世界中には美しく歴史的な(そしておそらく高価な)ものがまだまだある。 今回の企画でボトルに対する興味を少しでも持っていただければ幸いである。

次回はマイナーコーラ編,アフリコーラや健やかコーラを始め様々な個性派が揃う予定だ。乞うご期待!。

註1:Coca Cola Fifth Avenue, 711 Fifth ave., New York, NY, U.S.A.#10022


[コーラ四季報98年4月号]
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