コーラ白書
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中本 晋輔

あらすじ:オークションで購入したコーラナッツからコラノキを育てるべく奮闘中。当初は順調に育っていたが、真冬に断行した植え替えの失敗により弱体化。満身創痍の状態でなんとか2012年の春を迎えたのだった。(→バックナンバー


5月に入りずいぶんと暖かくなってきたが、コラノキの葉枯れは悪化していた。幹の下のほうの葉は枯れて落ちてしまい、上部付近の大きな葉も枯れが付け根近くまで進行している。昨年の葉が青々と茂った姿は見る影もなく、afri colaのヤシの木のイラストみたいな痛々しい姿になってしまった。

そんな中での唯一の希望が、頂芽に出てきた小さな葉だった。

去年も同じころに新しい葉が芽吹き、大きな葉へと育った。

6月に入ると新葉は葉脈がしっかり見えるほどに大きくなった。また続いてもう一枚、今度は逆側から新しい葉が顔を出しているではないか。

そとは空梅雨で夏のような陽気。これからたくさんの葉が生えてくるに違いない。何とかピンチは乗り切った思ったのだが・・・

その数日後、頂芽の異常が起きていた。新しい葉がどちらとも枯れているではないか!小さい葉は半分が茶色に変色し、大きい方は根元近くの両サイドから枯れが進行している。オーマイガッ!!変色して力なく丸まる葉を前に、しばし言葉を失う。

良く観察してみると、今回の状況は過去の葉の枯れとは違う特徴が見えてきた。まず葉の枯れた部分がこげ茶色に変色している。これは古参の葉の枯れた色にくらべるとずいぶん濃い。また付け根付近から枯れるというのも今回が初めてだ。

もしかしたら新しい葉がほかの葉に接触したのが原因かもしれない。しかしそれだけで枯れるというのも腑に落ちない。病気?水切れ?理由の見当がつかないのが辛いところだ。

この時、初めてコラノキが枯れることを覚悟した。4年間の思い出が走馬灯のように駆け巡る。

 


 

その後今年第一号の新芽は急激に枯れてしまった。幸いその後には新しい芽が姿を見せている。ただ新しい葉が枯れた原因がはっきりしない以上、その次の葉が大丈夫だという保証はない。

いつも以上にせっせと水をやり、夏場は休んでいた霧吹きによる噴霧も実施する。ハイポネックス様にもご登場いただいた。幸い7月に入って気温は急上昇。コラノキが最も成長する季節になってきた。

毎日心配しながら様子を眺める俺。頂芽はずいぶんほぐれたのだが、葉が大きくなる様子はなさそうだ。どうしたものかと全体を眺めていると、あれ?

幹の下の枯れた葉の根元から、新しい芽が出ている!え、そこアリなん!?

よく見るとほかの節にも新しい葉がついている。

これは、コラノキの成長が新しい段階に入ったのという事なのか?もしかすると頂芽にトラブルが発生して、慌ててて側枝を伸ばしているのかもしれない。


 

7月下旬。育て親の心配をよそに側面から生えた葉は順調に育ち、数も8枚に増えていた。まだ成長途中だが、葉脈も色もしっかりとしてきた。木の下部に葉が茂ったことで、貧相だった樹形が少しにぎやかになったのは嬉しいところだ。

天気の良い日には、ベランダで直接日光に当ててみる事にした。以前真夏に外に放置して葉焼けを作った経験から、今回は1回2時間程度に止める。枯れてしまった葉に一部は切除し、新しい葉に直接日光が当たるようにした。

夏の日差しの中で揺れるコラノキを眺めつつ、今回の変化がコラノキ再生の第一歩であることを祈るのであった。

 

→コラノキ育成記(10)へ続く