フローズンとはジュースを撹拌しながら凍らせて作る、細かい氷粒と空気がまじりあったクリーミーなシャーベット状の氷菓だ。これまで専用のディスペンサーでしか作れなかったコーラフレーバーのフローズンを、パッケージ商品で再現した意欲作が本品である。コカ・コーラ初となる容器入りフローズン飲料で、現在のところ日本限定商品である。
パッケージにはパウチを使用。コカ・コーラがそのまま凍結したような涼しげなグラフィックが目を引く(炭酸は入っていないケド)。開口部にはゼリー飲料「ぷるんぷるんQoo」と同じ構造を採用し、最後まで飲みきれる仕様になっている。パッケージの側面のくぼみをコンツールボトル型にしてあるのも心憎い演出だ。
コカ・コーラをフローズンで楽しむためには、少しばかり手間が必要だ。まずはパッケージを冷凍庫で凍らせる(または凍らせた状態で買ってくる)。この状態では中身はカチカチに凍っている。次に室温で15~20分おいて適度に溶かしたのち、柔らかくなるまでしっかり揉む。同社プレスリリースによると、この凍結後に揉んでシャーベットにできる配合の開発が難しく、商品化に8年を費やしたという
上記の作法を守って作ると、あのフローズンマシンで作ったかのようなシャリシャリしたクリーミーな食感が見事に再現される。コカ・コーラのフレーバーがしっかり効いていて、市販のコーラフローズンより飲みごたえがある。また最後に香るレモンもよいアクセントになっている。ただ甘さが強く酸味が弱いため、後味がどこかぼやけた印象を受けた。無炭酸なので、もう少しフレーバーやカフェインで飲みごたえをブースとして欲しかった。
コカ・コーラのフローズンを容器で再現し、そしてこの新技術をあえてフラッグシップのコカ・コーラで商品化するあたりに日本コカ・コーラの本気が伺える。同社では暑い日のおやつや学校帰りなど幅広いシーンを想定しているが、ボトルネックとなるのは溶かす時間である。たとえば同じパウチに入った氷菓「クーリッシュ」がすぐに食べれるのに対して、食べるまでに20分待たなければならないのは不利に映る。この夏の売れ行きが注目されるコーラである。