今回のリニューアルの最大の特徴は保存料「安息香酸ナトリウム」を取り除いた点。この添加物はコーラのような酸性条件下で菌の繁殖を抑える働きが強く、ダイエット系コーラで世界的に使用されている。人工甘味料を使用したコーラで保存料を取り除いたものは少なく、Coca-Cola社の製品としては初の快挙である。
この背景には昨今の消費者の食品安全への関心の高まりがある。北京オリンピックの直後から日本コカ・コーラは「Coca-Colaに保存料は含まれていません」という宣伝を展開したが、市場での伸びの大きいZeroやDiet Cokeでは保存料を使用しつづけていた。今回のリニューアルはコーラ飲料により健康的なイメージを付加し、新たな消費者を取り込もうというコカ・コーラの戦略が見える。
今回のリニューアルにあわせてパッケージも一新された。Coca-Colaのロゴは白から赤に変更され、よりインパクトのあるデザインになった。また日本オリジナルのキャッチ"Full taste. zero suger. Sharp"はグローバルで使われている"great taste zero suger"となった(註1)
甘味料は従来と同じアスパルテーム・アセスルファムK・スクラロースの混合。味は旧製品とほぼ同じで、飲み応えのあるダイエットコーラであった。個人的にはもう少し甘さ控えめでもいいと思う。
(註1)Sharpは味覚では「ピリッとする」の意味になるので、ZEROのキャッチとしてはやや違和感があった。