日本でもお馴染のエナジードリンク「レッド・ブル」。そのコーラ版「Red Bull Cola」からからコカインが検出されたとして、ドイツ6州が販売禁止措置に踏み切る騒動が起きている。
ドイツのノルトライン・ウェストファーレン保険機関の発表によると検出されたコカインの量は1缶あたり0.13mg程度。人体に影響を与えるには12000リットル必要というごく微量の含有ではあるが、ドイツの法律上の制約で販売禁止がとられたという。この問題は海外にも飛び火し、香港や台湾でレッドブル製品の販売禁止や押収措置が取られている。
このコカインがどこから来たかについては、成分の「脱コカイン処理したコカの葉(decocainized coca leaf)」に残留していたという説が有力だ。コカインの葉にはコカインを含め10種類のアルカロイドが含まれているそうで、コカインの占める割合は1%に過ぎないという。このアルカロイドを豊富に含む「脱コカイン処理したコカの葉」は安全な食品として飲料や食品などに用いられている。
興味深いのは、このコカの葉が大手の飲料に現在でも使用されている可能性があることだ。マーク・ペンダグラスは"For God, Country and Coca-Cola"で「Poundstoneのコカ・コーラのレシピ(註1)」を紹介しており、その中に1.1mgの"Decocainized coca leaf"という記載がある。コカ・コーラ社は1903年にコカインの使用を中止しているが、その後もコカイン以外のコカの葉の成分を使用している可能性がある。またコロンビアジャーナルは現在でもアメリカの大手飲料メーカーがコロンビアから合法的にコカの葉を輸入していると伝えている。
今回は「検出しちゃった以上、行政処置をせざるを得ない」という感じの状況だが、今後コカインの含有量測定が義務づけられるような事になれば問題がさらに拡大する可能性もある。今後の動向に注目したい。
(註1 William Poundstoneの「Big Secrets」(1983年)に記載されたレシピ。現在のものであるかは不明だが、本物に近いと言われる)
参考
Blevins35SUMMER (2011-08-19 21:56:16)