店先での知らないコーラとの出会いは心が躍る。最近はそんな機会は随分と少なくなってしまっていたのだが、先日ふと立ち寄った酒屋さんでその僥倖にめぐまれた。Baladin Cola。その美しいボトルに入ったイタリア産の赤いコーラは、骨のあるコンセプトと高い志の逸品だった。
ではこのコーラの特徴的な赤い液色は何かというと、コーラナッツエキス由来だという。コーラナッツの成分の一つコラニンは酸化によりコラニンレッドと呼ばれる赤色を呈し、これがコーラ=赤の起源と言われている。現在ほとんどのコーラはカラメルで着色されているが、このBaladin Colaはコーラ本来の方法で色付けされているのだ。
コーラナッツはイタリア・スローフード協会認定のシエラレオネ産を使用。また売上の一部をSlow Food Foundation for Biodiversity (生物多様性のためのスローフード基金)に寄付している。サイトではフェアトレードやアフリカの貧困問題にまで言及しており、作り手の志の高さが伺える。
パッケージはブルゴーニュワインを思わせるなで肩の重厚なガラスボトル。中央にはBaladinのロゴがエンボスされている。Galvanina Bio Colaの例もあるように、イタリアにはローカルコーラのボトルは総じてデザインが秀逸な気がする。
柑橘感か強く、ボディ感のある炭酸レモネードといった印象。酸味と甘みは強いが後味はスッキリしている。後味にほのかにシナモンが香る、まさに大人の炭酸飲料だ。
コカ・コーラに代表される「コーラ飲料」とは別物だが、コーラナッツの赤色を楽しみながら黎明期のコーラに想いを馳せるのも悪くない。
Cola | Baladin イタリアのマイクロブルワリー、バラデン社のサイト。
バラデンコーラ 輸入元の三井食品の紹介ページ。本家の熱い想いがあまり反映されていないのが残念。