今回の無印良品のコーラの特筆すべきは原材料へのこだわり。使用されているのはコーラナッツエキスを筆頭にレモン果汁、ライムピールやシナモン・ジンジャーのエキスなど植物由来の原材料のみ。合成系の原材料は使用せず、着色もカラメル色素ではなく黒糖を使用している。ストイックなまでの植物由来のコンセプトは海外のオーガニックコーラで見られるが、国産コーラとしては極めて稀だ。
パッケージにはシンプルなシルエットの245mlガラスボトルを採用。ラベルにはブランドカラーの臙脂色の三本線に、商品の説明と「コーラ」という表示のみ。まさに不易のデザインである。
デラウェアを思わせる力強い味わいの後、後味には複雑なシトラス系のフレーバーと微かなジンジャーの余韻が残る。カフェインフリーとしては比較的飲みごたえはある。炭酸はそれほど強くなく、上品な砂糖の甘さが楽しめる。コカ・コーラのような刺激はないが、じっくりと味わって飲みたいコーラだ。
1990年後半代に登場した初代無印コーラは、1缶50円の典型的な安売りPBコーラだった。無印良品がMUJIという世界的ブランドに成長した今、そのPBもプレミア化していくのは必然なのだろう。本品が日本で受け入れられるかは分からないが、このプレミアムコーラを商品化した無印良品に賛辞を送りたい。