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伊良コーラ 試飲レポート

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いま巷で話題を呼んでいる本格クラフトコーラ「伊良(いよし)コーラ」。先日表参道ファーマーズマーケットで飲んできた。

クラフト(craft)は「技術」や「手工業」を意味する言葉で、主に小規模なハンドメイドのビールなどに用いられる。クラフトを謳う本コーラは市販のフレーバー等を使用せず、レシピをすべて原材料から作り上げているのだ。大量生産が基本の現在のコーラ市場において極めてユニークな存在である。

本品を開発された小林さんはもともとコーラが好きで、若い頃に世界中を旅して各地のコーラを飲み歩いていたそう。その後、和漢方の調合を生業としていたお祖父さんの影響で、自ら調合してコーラを作ることに思い至ったという。コーラの名前もお祖父さんの工房「伊良葯工(いよしやっこう)」に由来する。

この伊良コーラのフレーバーはガーナ産のコーラナッツをはじめ、漢方やスパイスなどを組み合わせた完全オリジナルのもの。ネット上のコカ・コーラレシピの情報なども参考にしつつ、2年間の試行錯誤の末に納得できるレシピを完成させたという。現在でもスパイスの調合・焙煎・抽出などは生産毎にご本人がされているとの事で、毎回僅かに喉越しや後味が異なるというのも実にハンドメイドらしい。

現在のところ伊良コーラはキッチンカーのみでのみ販売されている。コーラシロップの入ったパウチに、小林さん自らがスライスレモンと炭酸を注いで完成させてくれる。目の前でコーラが出来上がるという体験に加え、透明プラスチックのパッケージにストローを差して飲むスタイルも楽しい。

ガツンとしたインパクトの立ち上がりで、様々な原料のフレーバーが絡み合った複雑なフレーバーとしっかりとした飲みごたえが楽しめる。レモンの爽やかな酸味の後に、舌にピリピリする刺激と心地よい苦みが残る。コーラナッツ独特の後味もうまくマスキングされて気にならない。これだけ刺激のある原材料を使いながら、コーラとしてハイレベルにまとまっているのに驚かされた。

約130年前、薬として誕生したコーラ飲料。このコーラのスパイスの余韻を楽しみながら、黎明期のコーラに思いを馳せた。コーラを語るなら是非とも飲んでおきたい、原点回帰的な逸品だ。

  • 参考

伊良コーラ (Instagram) 次回伊良コーラの飲める場所はここでチェック。

posted at 10:31:16 on 2018-12-01 by NAKAMOTO Shinsuke

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