コーラ白書
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Espresso Loves Cola 試飲レポート

この夏、スターバックス初のコーラが旗艦店「Starbucks Reserve Roastery Tokyo」限定で登場した。飲みに行ってみた。

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  8月のある早朝、目黒区青葉台にあるリザーブロースタリー東京に向かった。まだ人もまばらな渋谷駅前を抜け、蝉の声を聞きながら閑静な住宅街20分ほど歩くと、大型船の舳先にも似たな瀟洒な建物が不意に姿を現わす。見慣れたスタバの緑色のアイコンはなく、替わって星とRを組み合わせたミニマルなロゴが使われている。

このリザーブロースタリーは4階建て。巨大な吹き抜けのある開放的な一階は様々な抽出器を備えたメインバーとペイストリー、オリジナルグッズを扱うショップが並ぶ。2階は紅茶専門のTEAVANA、3階はクラフトカクテルやワインを供するARRIVIAMO BAR がある。平日の開店直後にも関わらず、店内は挽きたてのコーヒーを求める人で店内は賑やかだ。

お目当てのオリジナルコーラを求めて、一階のメインバーに並ぶ。美味しそうなパンの並ぶショーケースを横目に、手渡されたメニューのRoastery Creation を見ると、そのトップにエスプレッソ Loves コーラが。説明によるとスターバックスのエスプレッソにレモン、スパイス、バニラなどの素材を組み合わせた、コーヒーからインスピレーションを得て生まれたコーラだという。一杯900円とコーラとしてはやや高価だが、もはや必要経費である。

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一階のカウンターで待つこと数分、手元のワイヤレスチャイムが鳴る。受け取りカウンターには炭酸の入ったグラスがひとつ。そこに店員のお姉さんがステンレスのシェイカーから濃い液体を注ぐと、見る見る間にグラスが茶色く染まり、きめ細やかな泡が表面を覆う。そう、エスプレッソ Loves コーラは一切市販のコーラを使わず、炭酸とエスプレッソとスパイスで作ったコーラなのである。

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周りのコーヒー愛好家の方々からの好奇の目を感じながらも、逸る心を抑えて一口飲んでみる。力強い炭酸とレモンの鋭いアタックの後、バニラとスパイスによる軽やかなコーラの風味が現れる。クリーミーな泡や口の中に残る粗挽きスパイスの食感が新感覚で楽しい。後半にエスプレッソは控えめながら存在感を表し、心地よい苦味と余韻、そしてしっかりとボディ感を演出している。思わず笑みがこぼれる。

以前コーヒーコーラの特集で、スタバのコーヒーとコカコーラを混ぜてみたことがある(そしてそれはそれなりに美味しかった)。Espresso loves Colaもその延長線上にあるコーラフレーバーの炭酸コーヒーかと思っていたが、見事に裏切られてしまった。きちんとした「コーラ」なのだ。

このコーラの芯となるエスプレッソには「パラディシ ブレンド」を使用。華やかな香りが特徴の、ここリザーブロースタリー東京で焙煎されたオリジナルコーヒー豆だ。コーラに使用されているコーヒーのブランドラベルが付いてくるのも、スタバならではの粋なサービスだ。

本品の開発に当たり、コーラらしさを再現するため様々な試行錯誤があったようだ。炭酸を間延びさせないために添加する液の量を極力少なくする必要があり、風味が凝縮されたエスプレッソが最適だという。また同じ理由でレモンも果汁ではなくカットレモンが使用されている。

「コーヒーとコーラには共通点が多いんです」とはカウンターのお姉さんの談。コーラは既に工業化されてしまったとはいえ、コーヒー豆もコーラナッツもカフェインと刺激のある風味で多くの人を虜にしてきた。コーヒーを使ってコーラを作るのは、それほど変なことではないのかもしれない。

リザーブロースタリーのバリスタが口をそろえて「自信作です!」というのも頷ける、スタバの本気を感じる逸品だ。話題性だけでなく、コーラのオリジンを語るうえでも、飲んでおいて損はない。

エスプレッソ Loves コーラ(公式サイト)

Starbucks パラディシ ブレンド(公式サイト)

posted at 00:49:46 on 2019-08-26 by NAKAMOTO Shinsuke

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