PEPSI NEXと言えば日本におけるゼロ系の先駆けで、一時はCoca-Cola Zeroを抑えて国内ゼロコーラの首位に君臨した伝説のコーラブランドだ。その後サントリーのトクホコーラ市場参入によりPEPSI Specialとカニバリを起こし、Coca-Cola Zeroにその座を明け渡した経緯がある。
名称こそNEXであるが、そのコンセプトや成分はPEPSI Specialに近い。機能性関与成分は難消化性デキストリンを使用しており、許可表示内容（「食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする」云々）もペプシスペシャルと全く同じ。本品のトクホの区分は「再許可等特保」であり、書類上もPEPSI Specialのマイナーチェンジ（透明バージョン？）として申請された可能性が高い。
興味深いのは許可日が2018年である点だ。この年の5月にCoca-Cola初の透明ノーカロリーコーラ「Coca-Cola Clear」が発売、大きな話題を呼んでいた。本品もそれに追従するべく開発されたと考えられるが、その後約１年間のブランクを経て商品化された。
パッケージデザインにはNEXの黒とトクホのゴールドを合わせたゴージャスなグラフィックを採用。尖がったNEXのロゴは健在で、その横には巨大なトクホのマークがこれ見よがしに記載されている。液色はやや黄色がかった透明。原材料にカラメル色素が入っているのが興味深い。
さっぱりとした飲み口のコーラで、透明なビジュアルと相まって印象は軽やか。甘味料やデキストリンの後味がうまくマスキングされているあたりサントリーの技術力を感じる。ただフレーバーが控えめすぎて、ペプシコーラ飲んでいる感はそれほど強くない。
トクホコーラにより王座を追われ、そしてトクホコーラとして雑に復活してしまったNEX。その心中を察するに余りある。
サントリーニュースリリース「特定保健用食品 PEPSI NEXII」新発売。史上初の透明トクホ、そこにバリューはあるのか・・。
