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NITRO PEPSI試飲レポート

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アメリカで3月末に発売された新機軸のペプシコーラ「NITRO PEPSI」。遅ればせながら飲んでみた。

NITRO PEPSIが従来のコーラと一線を画するのは、炭酸に加えて窒素が注入(Nitrogen infused)されている点だ。水への溶解度の低い窒素は開封や刺激により急激に気体に戻ろうとする性質があり、炭酸に比べて泡が微細になりクリーミーな口当たりが楽しめるとされる。この技術はGuinnessなど一部のプレミアムビールで既に導入されているが、コーラに使用されるのは多分史上初だ。

深みのあるネイビーを基調とした高級感のあるパッケージの中央には、細かな泡が集まったようなオリジナルのペプシロが点描で表現されている。キャッチコピーは「Smooth, Creamy, Easy to drink」。その下にはこのコーラの飲み方がイラスト入りで解説されている。

そう、この革新的なコーラを楽しむためには特別な「作法」が求められるのだ。

まずは缶をよく冷やす(1. Chill Can)、そしてグラスに強く注ぐ(2. Pour hard)、そして目と舌で楽しむ (3. Admire and Enjoy)。この2番目の強く注ぐというのがポイントで、このプロセスの成否によって口当たりが変わると言っても過言ではない。この普段コーラでは絶対やらない作業を躊躇なく行えるかどうかがこのコーラを楽しむためのカギになる。

原材料は通常のペプシのものに加えアラビアガムや塩・キラヤ抽出物などが配合されていて、クリーミーな泡のために粘度や乳化度合が調整されているようだ。また複数の保存料が使われているのも興味深い。本品はDraft Colaを謳うが甘味料やフレーバーは通常のペプシと差がなく、素材へのこだわりのようなものは見られない。

指示通りによく冷蔵庫で缶を冷やしてから開封すると「プシュッ」ではなく余韻のある「プシューーゥ」といつもと違う音。タブから覗くと、すでに薄茶色のクリーム状の泡が液面を覆っている。これをグラスに一気に注ぐ・・のだが、思い切りが足りなかったのか思ったより泡立ちが悪い。確かに上部に細かい泡の層が発生しているのだが、NITRO PEPSIのサイトにあるようなグラスの中で泡が中で美しく踊る様子は再現できなかった。

一口目にはクリーミーな泡と滑らかな口当たりを感じることができたが、時間とともに急激に失われ最期にはグラスに入った微炭酸のペプシが残る。微炭酸のペプシもそれなりに美味しいんだけど、期待値と高揚感が高かっただけにちょっと残念。

とはいえ本品が革新的なコーラであることには変わりなく、「コーラを強く注ぐ」という体験やベルベットのような泡立ちなど、これまでにないコーラの体験を与えてくれる。風味や口当たりが注ぎ手の技量に左右されるので、できれば2本以上を用意してグラスの形や注ぎ方による変化を楽しみたい。ペプシのチャレンジスピリットを感じる一品だ。

  • 参照

NITRO PEPSI 公式サイト(英語)

posted at 06:30:50 on 2022-05-12 by NAKAMOTO Shinsuke

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