伊良コーラは漢方やスパイスをベースにした独自のフレーバーが特徴のコーラで、昨今のクラフトコーラブームの先駆け的存在。これまで同社は自社工房でシロップを生産し、主に店舗での対面販売や瓶容器で提供していた。
今回最小ロット10万本と言われる缶飲料市場に参入するにあたり、同社は伊良コーラ(缶)専用のシロップ製造方法を確立。フレーバーの核となる「仕込み」を自社内で完結させ、シロップ製造や充填を協力会社と連携することで伊良コーラのクラフト感を損なわず缶飲料の製造規模に対応したという。
この製法により本品には缶飲料ながらスパイスが含まれていて、10秒間缶を逆さまにしてから飲む事が推奨されている。また時間とともに風味が深まる「缶内熟成」も期待できるという。
この伊良コーラ(缶)は豊かなスパイスと柑橘の風味による「豊かなひととき」をユーザーエクスペリエンスに掲げ、ギアを上げるエナジー系ドリンクとは一線を画する。従来の伊良コーラのクラフト感と味わいを引き継ぎながらも、刺激も抑えたより飲みやすいコーラに仕上げてあるという。これまでの製法と味のオリジナル伊良コーラも対面およびボトル入りでの販売を継続する。
パッケージも白地に紺のロゴでイメージを一新。中央に大きく描かれた金色のカワセミのイラストが印象的だ。果汁2%を含み、原材料にはシナモンやクローブ、コラの実など7種類のスパイスが並ぶ。
一口目よりスパイスの風味が立ち上がる。従来の伊良コーラにくらべフレーバーピークがまろやかで、スパイスの豊かな表情が際立つ。後味の香辛料系の刺激が抑えられ、ドライな印象の従来品より飲みやすくなった。砂糖の風味と柑橘の柔らかな酸味がしっかりした飲みごたえを演出。ただ酸味の鋭さやスパイスの刺激感は従来品より抑えられているので、コアな伊良コーラファンには少し物足りないかもしれない。
これまでクラフトコーラと飲料メーカーのコーラはその価格帯や配合の違い、製造上の制約から自然と棲み分けがなされてきた。本品はクラフトコーラメーカーがその壁を破りより大きな缶コーラ市場へと参入する歴史的な試みと言えるだろう。伊良コーラ第二章から目が離せない。
伊良コーラ(缶)は3月21日よりナチュラルローソンで先行発売され、4月以降に全国展開される。小売希望価格は250ml缶288円(税込)。
参考