
Diet Coke Limeは2004年から2018年にかけてアメリカで販売されたライムフレーバーのDiet Coke。Coca-Cola Zero Sugarにゼロカロリーの座を譲って引退したが、Diet Cokeの根強いファンの要望を受けて今回限定発売された。プレスリリースにも「brand loyalists」という記載がある。
本品のデザインは1980年代に発売された初代Diet Cherry Cokeのものを参考にしている。小文字のdiet の大きな斜めのロゴと白を基調に非等間隔の横ラインを使ったデザインは、コーラ全盛期のアメリカ80年代を彷彿とさせる。当時ライムフレーバーは存在しなかったが、思わず製造年月日を確認してしまったほどクラシック感である。
またアセスルファムKがゼロ系コーラの甘味料の主流となる中で、本品はあえて旧世代のアスパルテームをメインに使用する(註)。原材料の横のフェニルケトン尿症者への注意喚起も健在だ。現在の技術であればアスパルテームなしでも同じ味を再現できそうだが、あえて従来の配合を保持している。
Diet Cokeらしい優しいフレーバーで、ライムのノートがふわりと香る。炭酸は強め。カフェインの飲みごたえはありながらも、最後にすべてがすっと消えるようなキレの良さ。少し残るアスパルテームの風味がDiet Cokeらしい。インパクトの強いゼロ系コーラに慣れた舌と喉には新鮮な、やさしく懐かしいコーラだった。
このDiet Coke Limeの復活はただの話題作りではなく、コカ・コーラの北米戦略の大きな変化のサインだと筆者は見る。来年からはDiet Coke Cheeryが通年発売される予定で、しばらくアメリカのコカ・コーラから目が離せない。
(註) アスパルテームとアセスルファムKの併用