コーラ白書
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【前回までのあらすじ】 真冬に敢行したコラノキの植え替え。これが裏目にでコラノキは一気に弱ってしまった。なんとか春まで持ちこたえたが・・・

 


 

5月初旬。ようやく水も温む春がやってきた。朝晩の寒さが緩んできたのを見て、コラノキを日当たりのよい1階のリビングに戻す。もちろん毎日欠かさず水やりを行う。

数日すると、頂芽から待望の新芽が芽吹き始めた。冬場にはもうダメかと思っていただけに、黄緑の新芽を見た時の感動もひとしおだ。タイミング的には昨年より1ヶ月ほど早い。

黄緑の新目はほぐれるように大きくなり、やがて3枚の新しい小さな葉を形成した。中心には新たな新芽がいて、順番を待っている状態。今年の夏も成長が期待できそうだ。

 

しかし6月の下旬の頃、コラノキに異変が起こった。これまで頑張っていた昨年の大きな葉が一斉に枯れ始めたのだ。これまでのように先端からではなく、葉の縁から茶色く枯れた部分がどんどんと広がっていく。

水か栄養が足りていないのかと思い色々対策をしてみたものの、葉の枯れは収まるどころかどんどん広がっていく。

一方で頂芽では新たな新芽が膨らみ、ちいさな葉へと変化している。5月に出た葉はすっかり大きくなり、瑞々しい緑色でしっかりと上を向いている。

どうやらこれが、コラノキの葉の世代交代なのだ。そういえば一番初めに出た双葉は2年間もコラノキを支え続けている。植え替えのダメージの影響もあるだろうが、コラノキは春から夏にかけて葉をリニューアルするのだろう。

 


 

8月。夏の盛り、1枚の葉が落葉した。去年の夏に生えた、比較的大きな葉だ。よくここまで頑張ってくれたと、ちょっとセンチメンタルな気分になる。

今年に入って生えた葉はすべて濃い緑色になり、さらに中心から新たな葉が生まれようとしている。去年までの葉はすべて落葉し、新しい葉に取って代わりそうな勢いだ。ただでさえ徒長気味でバランスが悪いのに、下の葉が全部落ちるとさらにアンバランスになりそう。

9月に入ると落葉がさらに進む。落ちてない去年の葉も元気がなく、だらんと下を向いている。それとは対照的に今年生まれの12枚の葉は色つやがよく、しっかりと上を向いている。世代交代は確実に進んでいる。

葉にばかり気を取られていたが、幹の部分にも確実に成長が見られた。あいかわらず木丈の割には細いものの、根本の部分が昨年より一回り太くなっている。またリグニン化も進み、土から10センチくらいまで褐色の部分が見られるようになってきた。

 

11月。ついに最古参の葉が落葉した。枯れたその葉には、若きコラノキを炎天下に置いたときについた葉焼けの跡が残っている。

一方で温かな気候のせいか11月に入ってからさらに4枚の葉が仲間に加わり、2011年生まれの葉は合計で16枚に。

どんどん進む世代交代を目の当たりに、頼もしさと一抹の寂しさを感じる秋の日であった。

  → コラノキ育成記?へ続く