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エナジーコーラ徹底比較!
これまで発売された代表的なエナジーコーラを表1にまとめてみた。
名称 |
発売年 |
販売地域 |
xtz kola |
1995 |
北米 |
WHOOP ASS |
2000 |
北米 |
ROCKSTAR COLA |
2001? |
北米 |
JOLT |
2005 |
北米 |
diet PEPSI MAX |
2007 |
北米 |
Red Bull Cola |
2008 |
北米・欧州 |
PEPSI KICK |
2009 |
メキシコ |
NAUGHY G COLA |
2009? |
東南アジア・オーストラリア |
ドデカミンコーラ |
2011 |
日本 |
ペプシエナジーコーラ |
2011 |
日本 |
各製品の成分をまとめてみると、表2のようになる。
名称 |
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ガラナ |
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xtz kola |
○ |
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○ |
○ |
○ |
WHOOP ASS |
○ |
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○ |
○ |
○ |
ROCKSTAR COLA |
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○ |
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JOLT |
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○ |
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diet PEPSI MAX |
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Red Bull Cola |
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PEPSI KICK |
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○ |
NAUGHY G COLA |
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○ |
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ドデカミンコーラ |
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○ |
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ペプシエナジーコーラ |
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○ |
○ |
このようにエナジーコーラを代表する成分はカフェインと高麗人参、ビタミンB1であることが分かる。日本では薬事法で制限されるタウリンも、海外では一般的に使用されている。この他にもイチョウの葉(GINKGO BILOBA)やココアなどを使用した製品も多い。
また全てのエナジーコーラに共通するカフェインについて、その100mlあたり*の含有量を公開されている範囲で比較してみた。
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図1 各エナジーコーラのカフェイン量(クリックで拡大) *一部比重を1として換算 |
エナジーコーラには一般的なコーラの2〜3倍のカフェインが入っていることが分かる。特にROCKSTAR COLAは1缶(473ml)でカフェイン160mgとその量・濃度ともダントツだ。
ただし海外のエナジードリンクの中にはさらに高濃度のカフェインを含むものが数多くあり、ショット系(50ml程度の小瓶に入ったもの)の中にはROCKSTARの10倍(350mg/100ml)なんて桁外れなものも存在する。むしろはエナジーコーラは比較的カフェインの少ない部類に入るようだ。
ガラパゴス化?
では肝心の味はどうなだろうか。現在入手可能な5種類のエナジーコーラで飲み比べてみた。
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左からROCKSTAR COLA, Red Bull, NAUGHTY G, ペプシエナジーコーラ、ドデカミンコーラ |
まず気がついたのは、日本製と海外製の味の違い。ドデカミンコーラとペプシエナジードリンクは共に酸味が強く、独特のクセある「栄養ドリンク的なケミカル味」が特徴。良くも悪くも昔ながらのエナジードリンクの延長という印象だ。
一方海外の3製品、それぞれタイプが違うが共通するのはコーラが前面に出ている点だ。国産品に見られるエナジードリンク的な味は控えめで、むしろコーラの風味や飲みごたえを重視した設計になっている。
特に印象深かったのはROCKSTAR COLA。タウリン2000mg、カフェイン160mgという派手な内容とは対照的に、中身はクセがなく飲みやすい。コーラとしても十分に美味しかった。
オロナミンCから続く長いの歴史がある日本では、エナジー飲料の味の固定観念が出来上がっているように思われる。規制によって使えない成分もある。一方エナジードリンクの歴史の浅い海外では、より自由な発想でエナジーコーラが作られ市場を拡大している。
なんだか日本のモノづくりを見ているようで、ちょっとブルーになった。
エナジードリンクから派生した新しいタイプのコーラ、エナジーコーラ。今後ブームを超えて新たな市場を創るのか、コーラ白書は注目していきたい。
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