
赤ワインとコーラを混ぜればカリモーチョになることは理解できた。しかし世には星の数ほど赤ワインが存在し、その味わいは千差万別。その選択によってカリモーチョの味わいは大きく変わるはずだ。
どんなワインがコーラと合うのか、実験してみることにした。
コーラに合う赤ワイン決定戦
と言っても当方、コーラにはともかくワイン(特に赤ワイン)ににはまったく明るくない。
そこでカリモーチョの条件である「安い赤ワイン」という言葉を頼りに、1本1000円程度のものをいくつか選んでみた。
■ コオペラティーバ・アグラリア・サンタ・キテリア イゲルエラ |
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原産国 |
スペイン |
生産年 |
2010年 |
テイスト |
フルボディ |
実売価格 |
1134円 |
セブンイレブンネットでズバリ「カリモーチョにオススメのワイン」として掲載されたワイン。カリモーチョの故郷スペイン産のワインで、「神の雫」(当方未読)でもこのビンテージが紹介されたらしい。
【ワイン感想】フルボディと言いながらも、アタックがまろやかでフルーティ。タンニンもマイルドで、白ワイン派の私でもスッと飲めてしまう。やはりこれが本命か? |
■エストラテゴ レアル N.V・ドミニオ・デ・エグレン |
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原産国 |
スペイン |
生産年 |
2011年 |
テイスト |
フルボディ |
実売価格 |
950円 |
ネットで評価が高かったので買ってみたワイン。こちらもスペイン産で、テンプラニーリョという黒ブドウを原料に作られているらしい。
【ワイン感想】香りが豊かで、しっかりとしたボディ感がある。タンニンが強くて、舌が子供の私にとってはちょっと苦手なタイプのワイン。 |
■デル・スール カベルネ ソーヴィニヨン |
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原産国 |
チリ |
生産年 |
2011年 |
テイスト |
ミディアムボディ |
実売価格 |
500円 |
1825年創業の老舗ヴィガール社が製造するチリの赤ワイン。ワンコインで買えてしまうリーズナブルさが魅力。
【ワイン感想】フルーティで飲みやすく、香りが長続きする。タンニンは弱め。赤ワインに詳しくなくても、素直に美味しいと思える味わい。 |
■カルロ・ロッシ・カリフォルニア・レッド |
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原産国 |
アメリカ |
生産年 |
2011年 |
テイスト |
ライトボディ |
実売価格 |
500円 |
近所のスーパーで扱っているカリフォルニア産の赤ワイン。輸入者はサントリーなのでハズレはないだろうと思い購入。
【ワイン感想】軽くさっぱりしたドライな赤ワイン。のっぺりしてまろやかな口当たりで、チェリー系の香りが残る。コーラを邪魔しなさそう。 |
■ハインツ・ファフマン・トロッケン |
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原産国 |
ドイツ |
生産年 |
2008年 |
テイスト |
ライトボディ(多分) |
実売価格 |
980円 |
京都のリカーショップで見つけたドイツワイン。18か月の樽熟成と「ドイツ版ピノ・ノワール」という言葉に惹かれて購入。
【ワイン感想】フルーティなワインで、甘みが強め。独特のベリー的な香りがコーラにマッチするか?
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■赤玉スィートワイン |
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原産国 |
日本 |
生産年 |
-- |
テイスト |
甘い |
実売価格 |
530円 |
「日本人の味覚に合った葡萄酒」をコンセプトに1907年に発売されたロングセラーワイン。一般ワインと一線を画する甘さとまろやかさが特徴。
「ワインにとは別物」との声もあるが炭酸との相性が良く、京都の居酒屋の名物チューハイ「アカ」の材料としても知られる。 |
今回はコーラにカリモーチョの「オーセンティック」コーラとされるコカ・コーラを使用。これを上記のワインと1:1の割合で混合し、氷を入れたものを評価した。
〜結果発表〜
一位 エストラテゴ レアル N.V・ドミニオ・デ・エグレン |
二位 デル・スール カベルネ ソーヴィニヨン |
三位 赤玉スィートワイン |
ベスト・カリモーチョ・ワインに輝いたのは、スペインの赤ワイン「エストラデゴ レアル」。パンチの利いた味ながらも、コーラの甘みと酸味がプラスされ、奥行きのある味わいに。強いタンニンが適度に和らぎ、ボディ感を保ちつつも飲みやすくなった。もとのワインとは全く印象の異なる、まさにワインとコーラが融合した逸品。文句なしの一位だった。
次点にはチリのデル・スールを選んだ。こちらは一位とは全く異なり、軽やかでフルーティさが際立ったどんどん飲めるタイプのカリモーチョとなった。クセがないので、どんな料理にも合いそう。
そして三位にはまさかの赤玉スィートワインがランクイン。これで作ったカリモーチョは、カクテルよりむしろファンタグレープに近い味わい。ジュースのような飲みやすさと、ワインのボディ感が相まって、予想外の味わいとなった。うっかり飲み過ぎて、後で後悔するタイプのだ。
意外だったのが、単体では一番美味しかったイゲルエラがカリモーチョで生きなかった。柔らかく飲みやすいもののエストラデゴのような融合感はなく、むしろお互いが主張し合ってまとまりのない印象を受けた。
カルロ・ロッシやハインツ・ファフマンのカリモーチョは甘みが強く飲みやすいものの、後味のワインの存在感が強く出る。赤ワイン好きならこの組み合わせもアリだろう(そもそも割らないという説も)
傾向としては、エストラデゴ レアルのようなフルボディでタンニンのしっかり効いたタイプか、または真逆の軽めのフルーティなワインがカリモーチョに合うようだ。
カリモーチョは、ベースになる赤ワインによって全く印象が異なる。だからこそ、カリモーチョはカクテルではなく、ワインを楽しむ「方法」なのだろう。
「ワインにコーラ?」と思われた方、だまされたと思って一度試してみてほしい。イマイチと思っていたワインが大化するかもしれない。
なお、「コカ・コーラだけがコーラに非ず!ワインに合うコーラ選手権」は後日公開予定!
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