中 本 晋 輔　

今から100年以上の昔、コーラは店で飲でしか飲めない特別な飲み物だった。当時薬として販売されていたコーラは、薬局やソーダファウンテンなどの特別な場所でシロップと炭酸を混ぜ合わせてカクテルのように供されていた。その後ボトリング技術の発達は瓶や缶に炭酸飲料を詰めることを可能にし、私たちはコーラをどこでも楽しめるようになった。

しかし現在でも少数ながら、店に出向かなければ飲むことのできないプレミアムなコーラは存在する。今回はそんなちょっと特別なコーラを集めてみた。

シトラスベリーコーラ

JR大阪駅のカフェ「エスタシオンカフェ・グラン」のオリジナルコーラ。コカ・コーラにレモン、ライム、ラズベリー、ミントを加えたフルーティな一杯だ。

原材料と氷の入ったグラス＋コカ・コーラ190ml瓶のセットで供され、自分で注いで完成させるという大阪らしい合理的なスタイルが印象的だ。徐々にフレーバーがコーラに溶け出し、時間と共に味の変化が楽しめる。

当初は期間限定だったが、現在でも販売されている。

７００円。

裏コーク

日本マクドナルドが2018年6月12日から期間限定で発売した「マックの裏メニュー」の一つ。同社の裏メニューキャンペーンは今回で３度目だが、裏ドリンクが登場したのは今回が初めて。

レモンジンジャー風味のコカ・コーラで、黄色いフレーバーシロップにコカ・コーラを注ぐことでカクテルのようなフロートを演出。裏コーク専用のＰＯＰや透明カップ（写真）も用意されるなど全力でプロモーションされており、全く裏メニュー感はなかった（あたりまえだけど）。

当時のキャンペーンサイトはこちら

シブヤコーラ

「大人の渋谷」をイメージした、アマレットリキュールのようなビターな味わいが魅力のオリジナルコーラ。レモンとの相性が光るこの大人の一杯は渋谷モディ７Ｆのフードスタンド＆バーLUKAS fried food & sodaで購入できた・・が、現在は閉店している模様。

（写真は以前取扱いのあった渋谷モディ・あかりまどで撮影）

伊良コーラ

今話題の漢方系クラフトコーラ「伊良コーラ」。これまではコーラ小林さんのキッチンカーでしか味わえなかったこのコーラが、１２月１４日にオープンした映画館「アップリンク吉祥寺」で常時取り扱いされるようになった。（一杯550円）

昨年末にクラウドファンディングが成立し、3月からはシロップ販売を開始した伊良コーラ。今後さらに多くの店でクラフトコーラを楽しめるようになりそうだ。

Tomo's Cola

和ハーブ＆シトラス系のクラフトコーラ「Tomo's Cola」は、下北沢のカフェバー「City Country City」で飲むことができる。

レコードプレーヤーから流れる音楽とメロウなコーラの余韻を同時に楽しめる、素敵なスポットだった。５００円。

スパイシーコーラ

私がこれまで飲んだ中で中で最も衝撃的だったお店コーラの一つが、東京・麹町の老舗インド料理店「アジャンタ」で提供される本品だ。

スパイシーと言っても辛いわけではなく、コーラに様々なスパイスを独自にブレンドし、レモンで爽やかにまとめた一品。複数のマサラによる複雑な風味は、これまで飲んだどのコーラとも違うエキゾチックな味わいを醸し出す。独特の余韻がクセになりそうな、ならないような・・・