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米PEPSI「ハリアー裁判」に勝訴

Topics! Aug. 14, 1999

ペプシを飲んで700万ポイント集めればハリアー戦闘機(註)がもらえる・・・これはアメリカで流れたペプシのCMのフレーズである。このペプシ流のジョークを真に受けて本当に700万ポイント集めちゃった人がペプシにハリアーの提供を求めて告訴していた「ハリアー裁判」が6日、決着した。判決は「常識で考えればもらえないのは分かる」という、ペプシ勝訴の内容だった。

この騒動の発端となったのは3年前アメリカで放送されたPEPSI GENERATIONのキャンペーンCM。このキャンペーンはペプシに付いているポイントを集めると得点に応じて様々なグッズがもらえるというシステムで、不足分のポイントは1点10セントで購入することもできた。CMではいろいろなグッズとそのポイントが表示され、最後に「オチ」としてペプシを飲んだ少年がハリアーで高校に乗りつける画像に「700万ポイント」というテロップが入る場面があった。

これを真に受けて、ひたすらポイントを集めたのがシアトル在住のJohn Leonardさん(24)。以前から戦闘機を使った事業を起こそうと考えていた彼はポイント購入システムに目をつけ、知人からの借金などで700万ドル(約8,000万円)を用意し目標分のポイントを購入。あわてたペプシ社は「あれは冗談だった、誤解を招いたことに謝罪する」といった旨の文面をペプシのフリークーポンといっしょに送ったが、納得のいかないLeonardさんは告訴に踏み切っていた。しかし24歳といえば私(中本)と同い年、よく8,000万集められたものだ。

マンハッタン連邦裁判所の裁判官Kimba M. Wood女史はハリアーが2,300万ドルすることを挙げ、「客観的に考えれば、ハリアー戦闘機が(70万ドル分のポイントで)貰えるという結論には至らない」と述べた。これはあるいみ常識的な判決ではあるが、米国のCMの誇大化が半ば容認される形になったのも事実である。まぁでも、当のペプシはいくら勝算が高いといってもこの判決を聞くまで生きた心地がしなかったことだろう(だって負ければ23億のカブりだ。寒すぎる)。

Leonardさんはこの結果に納得していないようで、控訴を検討中とのこと。今後の彼とペプシの動向についてはまたTopics!で紹介したいので、お楽しみに(笑)。

(註)ハリアー戦闘機(Harrier):英エアロスペース社が開発した画期的なV/STOL型単座攻撃機。垂直離陸が可能なため小型空母でも運用が可能で、これは英海軍の艦船運用方式を根底から覆すほど画期的なことあった。フォークランド紛争での活躍で一躍世界的に有名になったが、一般にはシュワちゃん主演の映画「True Rise」に出てきた戦闘機といったほうが分かりやすいかもしれない。

参考記事

(中本)