コーラ白書
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緑茶コーラ 3種飲み比べ

Topics! 2015/12/02

地域限定で販売され、その土地の様々な名産を使ったローカルコーラ「地コーラ」。黒糖やニンニクなど地域の名産を使った様々な商品が生まれるこのジャンルで、最近注目されるのが緑茶だ。長く木村飲料の独壇場だったこの市場に、日本各地のお茶所からの参入が相次いでいる。

そこで今回は木村飲料の「静岡コーラ」、原製茶園の「うれしのチャコ~ラ」、増田園本店の「狭山茶コーラ」を飲み比べてみた。

静岡コーラ(静岡県)

商品名 静岡コーラ
製造メーカー 木村飲料
使用茶葉 静岡茶
緑茶感 ★★★

緑茶のコーラと聞いて真っ先に思い浮かぶのは木村飲料の「静岡コーラ」だろう。2010年発売のロングセラーで、現在でも「富士山コーラ」と並ぶ静岡のお土産屋さんの定番地コーラだ。木村飲料は瓶入りのコーラだけでなく業務用シロップも販売しており、商業的に最も成功している地コーラの一つと言える。お茶王国静岡の面目躍如だ。

材料には静岡県産の緑茶を使用。若干濁りのある「綾鷹」タイプの緑茶コーラである。目を引く緑色の液色には緑茶に加えて着色剤が使用されている。

アタックにおけるお茶感は薄く、木村飲料独特のコーラフレーバーが先行する。後味にふわっと漂う緑茶の香りが楽しい。

 



うれしのチャコ~ラ(佐賀県嬉野)

商品名 うれしのチャコ~ラ
製造メーカー 友桝飲料
使用茶葉 嬉野茶(粉末)
緑茶感
   

佐賀県武雄市の茶園「有限会社 原製茶園」が手掛ける緑茶コーラが本品だ。2015年初めに発売された。佐賀県内のみの限定販売で、販売元の原製茶園のほか武雄温泉物産館などで購入できる。

原材料の緑茶には佐賀県・嬉野の一番茶粉末を使用。こちらは濁りのないクリアな「おーいお茶」タイプだ。コンセプトが「湯上りに飲む緑茶コーラ飲料」なのは、温泉処としても有名な嬉野ならではのコンセプト。佐賀新聞によるとコーラの製造は同じ佐賀県の友桝飲料が手掛ける。

静岡コーラに比べてさらにコーラ感がさらに強め。フレーバーがスパイシーで炭酸も強く、しっかりしたコーラの飲みごたえが楽しめる。コンセプトとしては湯上がりに飲むラムネに近い。緑茶のフレーバーは後味にわずかに漂う程度だった。

 



狭山茶コーラ(埼玉県狭山)

商品名 狭山茶コーラ
製造メーカー 増田園
使用茶葉 狭山茶(秋摘み茶葉)
緑茶感 ★★★★★
   

埼玉県の狭山丘陵で栽培される茶葉「狭山茶」を使用したコーラ。茶園の増田園が茶葉の提供と販売を、コーラの製造は秩父のメーカーが手掛ける「オール埼玉」の地コーラだ。

本品が他の緑茶コーラと一線を画するのは、その圧倒的なお茶感だ。不透明な濃い緑の液色と瓶の底に沈殿する茶葉は、さながら抹茶のよう。秋にとれた柔らかい茶葉を使用することで、着色料なしでこの色が出せるという。

お茶のすそ野を広げようと増田園が1年半かけて開発し、2013年に商品化。その独自の存在感で地元を中心にじりじりと知名度を上げているという。今のところ本品は狭山市付近でしか購入できないが、坂戸市のSAYOIRO Cafeが「SAYOIRO COLA」としてネット販売を行っている。

飲んだ瞬間はコーラだが、すぐにお茶のしっかりした味わいと風味が広がる。甘味や酸味が控えめで、お茶の風味を邪魔しないのも嬉しいところ。後味の苦みも心地よい。今回の3種類の中で唯一お茶が主役に据えられており、緑茶コーラと呼ぶにふさわしい逸品だった。