Coca-Cola Lemon

2005年5月30日に発売されたレモンフレーバーのCoca-Cola。

一見普通のフレーバーコーラだが、本品はこれまでのコカ・コーラ社の戦略から見ると2つの点でルールから外れた「異端児」である。

一つはレモンという、ライバルのペプシが得意とする分野に後発で投入した点。これまで同社は王者のプライドからか、PEPSI Twistの対抗品を決して出そうとはしなかった（Diet Coca-Cola with Lemonの発売の際には、それがペプシの「模倣」でない理由を長々と用意していた）。本品はコカ・コーラ史上初のレモンフレーバーCokeなのである。

もう一つは製品の立ち上げ。これまで同社のフレーバーものは原則として米国で立ち上げ、今回はいきなり日本で発売。発売から半年が過ぎたがいまだアメリカでは発売されていない。また新製品のリリースには華々しいプロモーションやキャンペーンを展開するのが常だが（C2の発売は記憶に新しい）、今回はごく普通に新製品としてリリースされた。

Coca-Colaのグラフィックをベースに、リボンを黄色くしてレモンを入れただけの単純なデザイン。名前も聞いただけで中身が分かる。パッケージは5種類あるが、350ml缶を見かけることは少なくほとんど300mlボトル缶で販売されている。

名前からも明らかなように、味は基本的にCoca-Colaと同じ。だがフレーバーのせいかCoca-Cola独特の濃さがやや薄れ、夏場でも飲みやすいコーラに仕上がっていた。後味にレモンの硬さが残らないのも好印象。

果汁を加え新しい「レモン味」のコーラを目指したPEPSI Twistとは対照的に、本品はベースの良さを活かした「レモン風味」のコーラと言えるだろう。