est COLA

コカ・コーラが優勢な東南アジアの中でペプシがトップシェアを握っていたタイ王国。2012年その市場に異変が起きた。

1953年からタイ国内のペプシ・コーラの製造販売を一手に担っていたSerm Suk社とペプシの関係が悪化し、2012年10月に契約を終了。そして11月2日にSermSukは自社ブランドコーラ「est Cola」を発売し、市場に打って出たのだ。

est COLAはタイの若者をターゲットとしており、独自開発のフレーバーを使用。販売活動にも力を入れており、宣伝費に15億バーツを投入している。自社の販売網を通じて販促攻勢をかけた結果、一時期タイからペプシが消えたと言われた。

青地に白と赤を使ったロゴデザインは、昔のペプシのグラフィックを彷彿させる。325ml缶の他に各種ペットボトルや、タイで根強い人気を誇るガラスボトルもラインナップしている。発売当初はレギュラーのみであったが、その後ゼロカロリーコーラやフレーバーソーダもラインナップされた。

砂糖の甘さがしっかりと効いており、酸味も強めの賑やかなコーラ。フレーバーはそれほど特徴的でなく、後味に麦芽のような風味が残る。タイのペプシに比べて甘いが、酸味によりスッキリと仕上げられている。無難にまとめられた若者向けコーラと、いう印象だった。

2013年春にペプシを抜いてタイ国内2位に躍り出たが、その後International Refreshment社と契約を結んだペプシが追い上げ、2024年現在でシェア3位となっている。