  
中本 晋輔  
東海林さだお氏のエッセイで、人の家で缶ビールを出されるとあまり歓迎されていない気分になる、というのがあった。なるほど出されて気分がいいのは缶より瓶のビールである。
 
ビールに限らず、ガラスの瓶に封じられた飲料は人の心を満たす不思議な魅力を得るようだ。今回の特集ではこの不思議な力の源であるボトルのうち、コカコーラ・ペプシ以外のコーラに関するものを集めてみた。
 
 
1. JOLT Cola(カナダ) 
強カフェインコーラの筆頭、JOLT Colaのボトル。北米のJOLT は黒を基調としたデザインで、中身の色をうまく利用した見栄えのするボトルである。形自体はオーソドックスだが強力なロゴが平凡さを感じさせない。
 
 
 
2. afri COLA(U.S.A.) 
カフェイン系コーラとしてJOLTと双璧をなすafri COLAのグラスボトル。その独特のフォルムは他の追従を許さない。ロゴ・キャップの白と中身の黒のモノトーンが、シンプルではあるけれど2度と忘れないほどの強烈なインパクトを生んでいる。
 
 
 
3. Suntory Cola(日本) 
国産清涼飲料の雄、Suntoryのコーラのボトル。同コーラはあまり小売り用途には使用されなかったが、その辺りを反映してかデザインも控えめである。ただ決して没個性ではなく、むしろお洒落でセンスを感じさせる。現在はペプシコーラに取って変わられた。
 
 
 
4. 健やかコーラ(日本) 
開栓すると「ポカン!」と音のなるプリオの発音飲料。こういった遊びの要素を取り入れられるのも瓶ならではである。余談だが私はこの「発音」が下手で、裏の取説を何度読んでも半分ぐらいは「ぼふ」という情けない音しか出ない。
 
 
 
5. Natural Brew Premium Draft Cola(U.S.A) 
ガラス瓶はその脆さからか高級感を演出する。高級感でホームブランドと差別化を図るドラフト系コーラの殆どが瓶入りである事は不思議ではない。このNatural Brew Premium Draft Cola もその例に漏れず。ビールを思わせるラベルのセンスが光る。
 
 
 
6. DRAFT HONEY COLA(U.S.A) 
米ワシントン州の蜂蜜を使った高級ドラフトコーラのボトルも、どこかビールを思わせるデザインである。褐色ガラスを使うあたりにもこだわりが見える。このボトルの王冠は裏側がねじ切ってあって、手でひねって開栓できる優れ物だ。
 
 
 
7. MOXIE DRAFT COLA(U.S.A) 
いくらボトルを使おうとも、センスの欠落が全てを台なしにする事もある。おそらくMOXIE DRAFT COLA はその好例だろう。形はJoltとほぼ同じなのに、こちらはうさん臭さが爆発している。やはり指さしおっさんの絵が敗因か。
 
 
2回にわたってお送りしたボトルコレクション、お楽しみ頂けただろうか。若干ひっぱり過ぎとの声もあるが、終わりよければすべてよし、end justfy the means ということで暖かい目で見てやってほしい。これを読んで「今日はボトル入りのコカコーラを飲んでみようかな」などと少しでも思っていただければ幸いである。
 
 
[コーラ四季報98年7月号] 
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