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![]() 中本 晋輔 コーラ四季報になってもタイトルが変わらないこのコーナー、今回は「糸引き飴」である。糸引きといっても別に腐ってるとか粘っこいとかそんなんじゃなく、飴に凧糸がついているあれである。つまり駄菓子屋なんかで売っている、紐を引くと飴が付いてくる当てもの系駄菓子だ。駄菓子闇ブローカー、いっちゃん(仮)がそのコーラ味を提供してくれたので、早速試食してみた。 ![]() まず目を引くのが箱のレイアウトである。「COLA」のロゴがコカコーラそのまんま!大丈夫なのか?ホブルスカート似の色褪せたボトルと取ってつけたようなマーガレット(?)の妙な取り合わせが箱のチープさを引き立てる。ちなみに左端のある税理士のマークの様なものは製造元の耕生製菓のマークらしい。 中には飴30個入りの袋が2つ。紐が輪ゴムで束ねられ30個の褐色の飴がひとかたまりになっている。飴にはいくつかの形があるが、円錐形(苺型か?)の他は不定形で何なのか判別は不可能だった。飴の表面にはこれでもか!というぐらい砂糖がついていて、一部は美しい単結晶を形成している。結構頑張って作っているようだ。 ![]() で、とりあえず食べてみた。甘い。ひたすら砂糖の味がする。表面の砂糖をなめ尽くしたらコーラの味が出てくるかと思ったら、ほんの少しもしなかった。また食ってる間中口から紐がだらんと垂れ下がり、処理に困ってしまう。道を歩きながらは食べたくない菓子である。 コーラの味がしないのが大いに不満だったが、糸引き飴の種類が赤・青・黄色・オレンジ・コーラであることを知ってなっとくした。つまりコーラとは味ではなく、「色」なのである。駄菓子の道は、ひたすらに深い。 [コーラ四季報98年7月号] Copyright (C) 1998 The Cola White Paper Project. All rights reserved. |