コーラ白書
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ミリエンダはコーラとバナナで「第5回 ふたつのlight」

なかはしいちろう

ダイエットコーラがマイ・ブーム

 糖尿病のボスと、最近順調に増え続ける自分の体重との影響でCoke lightの消費量が多くなっています。以前と比べて人工甘味料の味質もずいぶん改善されましたし、レギュラーのCokeに比べてライトボディーに仕上げられているので、ついついがぶ飲みしてゲップを連発してしまいます。

 連載中、既に何度も述べたように、フィリピンにおけるコーラ流通の中心はガラス瓶です。現在のところガラス瓶入りのダイエットコーラが販売されていないことから考えて、全体的に見たダイエットコーラの消費割合はさほど高くないように思われます。

 しかし一方で、スーパーマーケットなどの缶コーラ売り場ではダイエットコーラが半分程度の棚割りを占めています。このことから、中流以上の所得層には一応の浸透を果たしていると判断できます。糖尿病の蔓延もダイエットコーラへの流れを加速していると言えるでしょう。

 そんなわけで、今回はフィリピンのダイエットコーラに的を絞ってご紹介したいと思います。

Coca-Cola light(Coke light)

Coke light 甘味料にアスパルテーム+アセスルファムKを使用したダイエットコーラです。おそらく他の東南アジア諸国同様、甘味料にアセスルファムKが加えられた時点でDiet CokeからCoke lightへのブランド変更を行ったものと思われます。1.5リットルペットボトルの肩の部分には黒地の帯に「grate taste. no calories.」の表記があり、デザインを引き締めると共にCoca-Cola zero等とのイメージの関連性を感じさせます。

 レギュラーのCoca-Colaと飲み比べてみると、やはり砂糖由来の味と香りが抜けているため若干物足りない印象を受けますが、アスパルテームの「こめかみにくる後味」はあまり気になりません。ダイエットコーラとしては上出来の部類といえるでしょう。

 残念ながらNo Calorie Coca-ColaやCoca-Cola zeroとの味の比較を述べることはできないのですが、日本における直近のDiet Coca-Cola と同様、酸味やフレーバーを抑えた軽い仕上がりであると感じます。

PEPSI light

PEPSI light 北米ではdiet PEPSIブランドを展開するPEPSIですが、東南アジアではPEPSI lightブランドが優勢のようです。ダイエットコーラらしい白を基調としながらも、PEPSIのコーポレートカラーである青を上手に散らしたデザインが美しい。

 口に含むと、PEPSIのアイデンティティーともいえるグレープフルーツ系のフレーバーがまず立ち上ります。この香り付けはレギュラーのペプシより若干強いようです。人工甘味料の後味をマスクするためでしょうか。

 甘味料はCoke lightと同じくアスパルテーム+アセスルファムKですが、甘さが若干後を引きます。香りが爽やかで好ましいだけに、残念。

PEPSI MAX

PEPSI MAX 田舎では見かける機会が少ないのですっかり忘れていましたが、東南アジアのシンボル(?)PEPSI MAXも依然健在です。私の住んでいる街ではスーパーマーケットを3軒ほど回ってようやく発見できました。

 一見して分かるように、若年、かつ男性をターゲットとしたデザインですが、洗練されたPEPSI lightのそれと比べると今ひとつ訴求点がはっきりしないかもしれません。

 甘味料はこちらもアスパルテーム+アセスルファムK。トップノートはPEPSI lightと同じくグレープフルーツ系のフレーバーですが、こちらはリン酸と思われる酸味がかなり強化されています。カフェインも若干多いかもしれません。Virgin ColaとJOLT COLAの中間といったところでしょうか。

 ただ、その酸味が去ったあとに猛烈な甘味がいつまでも後を引きます。原材料表記を見るとアスパルテームがリン酸の前に来ていますので(通常は逆)、含有量が相当多いのかもしれません。キンキンに冷やして一気に飲んでしまうのが吉。

人工甘味料の安全性

 と、普段ガブガブ飲んでおきながらこんな話をするのもアレなんですが、大抵のダイエットコーラに含まれているアスパルテームには(他の食品添加物と同様)その安全性に対して疑問符が付けられています。

 例えばこの「コーラ白書」でも、「アスパルテーム入りのコーラを飲むと頭痛になる」という読者からのメールを受け取ったことがあります。その他にも、めまい、幻覚、抑鬱症状などの原因となることが一部で疑われているようです。

 もちろん、アスパルテームも各国の基準に従って十分に安全を確認された上で使用されている(ことになっている)わけですから、少量・短期的な摂取について大きな問題が起こる心配はないでしょう。また言うまでもなく、レギュラーのコーラだって飲みすぎれば体に悪いことはご存知の通りです。

 コーラは楽しく、適量を楽しみましょう。

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