![]() ロイ・ハラーグ 澄み切った青空、果てしなく広がる草原。コーラを快活に飲み干すためにあるようなロケーションのモンゴル。実はこの国、隠れたコーラ大国なのでありました。 憧れの世界ブランド
米コカ・コーラ社は、モンゴルのMCS社とのジョイントベンチャー、MCSコカ・コーラ社を傘下にしており、基本的には、モンゴル国内のコカ・コーラ社製品は同社によりモンゴル国内の工場で製造・販売されています。同社の主力商品であるコカ・コーラは、250ミリリットルのガラス瓶にはじまり、500ミリリットル、1.25リットル、2リットルの各種ペットボトルのラインナップ。 首都ウランバートルでの市場価格は250ミリリットル瓶から順に、240T(リサイクル瓶代80Tを含む)、500T、750T、1,200T【100T(トゥグルグ)=約9.6円】。 ペットボトル製品にはそのサイズ別にキャッチフレーズが記載されており、2リットルモデルにはТумний ундаа/トゥメニー・ウンダー(私たちの飲料)、 さて、さきほど「基本的には」モンゴル国内のコカ・コーラ社製品はMCSコカ・コーラ社製であると申し上げましたが、この例外として缶製品が挙げられます。缶製品は中国から陸路または鉄路で入境しているようで、製品には「Swire Coca-Cola Hong Kong」の製造者表記が見られます。
そして、忘れてならないのがペプシコ製品です。モンゴル国において、同製品群は隣国ロシアからの輸入品となります。ディストリビュータは大手企業集団『ノミン・ホールディング』傘下の『ノミン・フーズ社』のようで、系列店および他店へ卸され、国内各地に流通しています。 なお、モンゴルはご存知のとおり高原国です。首都のウランバートルで、標高は約1,351m。イギリスの最高峰ベンネビス山頂(1,343m)よりも高い位置に首都機能があります。中国沿海部の工業地帯から登ってきた食品はすでにパンパン。輸入品の開栓時には、くれぐれもご注意を。 なお、地方においては国産品も悪路の移動によりパンパンです。 隠れたナショナルブランド大国次にいよいよご紹介しますのが、ナショナルブランド製品です。 モンゴルにおいては、民主化以降が西側文明との再会ということになりますが、コーラとの出会いも一般的には民主化以降と考えられます。以降ブランド別にモンゴルナショナルコーラをご紹介します。なお、今回は6社の製品をご紹介しますが、他にも数社からコーラが発売されていることを付記します。味につきましては最後にまとめてご報告させていただきます。 (凡例)MNS=モンゴル国家規格、EAN=バーコード 1. テレルジ![]()
国内最大規模の総合飲料メーカーAPU社(Aアリヒ=ウォッカ、Pピーウォ=ビール、Uウンダー=飲料)のノンアルコール部門のフラッグシップドリンク。自社便による輸送も実施されているようで、国内各地で見かけることができるナショナルブランドです。ボトルには『ISO9000/2000』の取得証明書が輝かしくプリントされており、プラスチック蓋側面にはしっかりと製造年月日が記載されていました。数種類のハーブを含んだ飲料ということで、レポーターがコメントするなら『これはコーラの健康革命や〜!!』という感じでしょう。(写真は1.5リットルペット/ラベル写真) 【編集者ツッコミ】見た目はロシア語だが、実はモンゴル語というのが渋い。 2. ビタフィット・コーラ![]()
国内大手の飲料会社ビタフィット社の製品。1リットルの紙パックドリンクが主力の同社ですが、1.5リットルのペットモデルでコーラ等の炭酸飲料マーケットにも参入しています。 品質保証期間は製造から6ヶ月間と記載されていますが、今回購入した製品のプラスチック蓋上面にはそれらしきものが印字されているものの判読は不明でした。チューペットのコーラを炭酸で割ったような味で、コクやキレがあまり感じられず、筆者がこの味に満足するためには、よく冷やし炎天下で試飲する必要があったようです。以下に紹介するコーラに関しても味は基本的にこれと似ていました。ラベルに誇らしげに『The best』と自己申告されています。(写真は1.5リットルペット) 【編集者ツッコミ】キリル文字の「л」は英字のl(エル)に相当。おっと、うっかり「сола」と書くとsolaという発音になっちゃうぞ。 3. ウィタサーモ・コーラ![]()
国内大手の瓶入り飲料メーカーVitsamo社のコーラ。味は前掲のVitafit社製に準じています。(写真は1.5リットルペット/ラベル写真) 【編集者ツッコミ】酸味料が入っていないようなんだけど、コーラの味はするんだろうか? 4. タミル・コーラ![]()
モンウィット社のコーラ。ドイツの技術で製造されているコーラで、銀が入っているらしい。キャッチコピーは「ビタミンと銀の補給飲料」。(写真は1.5リットルペット/ラベル写真) 【編集者ツッコミ】コーラ白書始まって以来の銀入りキター! 5. ビンゴ・コーラ![]()
アルタン・ボシゴ社のコーラ。モンゴルのナショナルブランドを大別すれば、上記のAPU社、Vitafit社といった国内高価格帯製品とここで紹介する廉価帯製品群になるが、後者の代表的ブランドがこのビンゴ・コーラである。とくに現金所得の少ない地方において、とりわけ遊牧民の移動住居においてその姿は頻繁に見かけられる。なお、彼ら遊牧民にとって軽量で軟質の空ペットボトルは生活には欠かせない便利用品として再利用される。とくに馬乳酒やシミアリヒ(ミルクから造る蒸留酒)の保存に利用される。また、特に軟質なそのペットボトルは歯で千切ることが可能なため、外出時にはコップとして代用されることもある。(ラベル写真) 【編集者ツッコミ】「4種の甘味料」が気になる…。 6. サクビット・コーラ![]()
ダブルウィット・テルグーン社のコーラ。スウィラリン・ウンダー(滋養の飲料)との記載があり、C、A、E、B11、B6とビタミン群らしき記載があるが、成分詳細の記載はなく不明。ちなみにモンゴルでは健康食品の需要は高く、その購買層を狙った商品展開といえよう。(ラベル写真) 【編集者ツッコミ】「濃密飲料水」の正体は謎。「コーラエキス」はともかく、「コーラ甘味料」って何だ? 7. ゴールド・コーラ![]()
ゴールドドリンク社の製品。こちらも廉価のため地方で見かけられるモデル。キャッチコピーは「 Ийм сайхан! イーム・サイハン こんなにすごい!」。(写真は1.5リットルペット/ラベル写真) 【編集者ツッコミ】バーコードが妙に短い。 今回さまざまなコーラを短期間に飲むことになりました。コーラに造詣が深くない小生にとっては過酷な時間となりましたが、その中からはあまりにも大きく新鮮な発見がありました。いやー、世界ブランドのコーラって本当にウマイんですね。 ■関連サイト
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