コーラ白書
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エッグクリーム再襲

その後数日間の滞在ののち、すべての旅程を終えて帰路につく。ノイバイ国際空港のチェックインカウンターでコーラの詰まったスーツケースをドロップし、身軽になって空港を散策する。登場まで時間があるので、空港2階のレストランに立ち寄ることにした。 SkyBistroという落ち着いた雰囲気のカフェに座り、ビロード椅子に身をゆだねる。荷物を預けたあとの空港でのひと時は癒しの時間だ。

何を飲もうかとメニューを見ていると、あるところで目が釘付けになった。

Egg with Cola。

なんだこれ・・・心がざわめく。

ここのエッグはエッグクリームのことだ。先のカフェで洗礼を受けたコーヒーのように、濃厚なエッグクリームがコーラに乗っているのだろうか。果たしてコーラと合うのか?いや、バニラアイスも卵だし意外と・・

もうこれを注文するしかないではないか。

先ほどまでのリラックスムードは一転し、戦々恐々とエッグコーラの到着を待つ。そして運ばれてきたものは、こちらの想像を超えきた。

トレーの上のIPAグラスの上部を切り取ったようなグラスに、6割りくらいの高さにエッグクリームが充填されている。上層にあるべきエッグクリームが、すでにグラスに入っているのは新機軸だ。そしてその横には冷えたPEPSI ZERO SUGARの缶と二切れのパン。このグラスに自分でコーラを注いで完成させろということか。

同じメニューを頼んでいる人を目で探すが、みんなコーヒーを飲んでいる。そうだよね。

恐る恐るコーラを注ぐとエッグクリームが凄い勢いで発泡し、グラスの内面を駆け上がる。慌てて流量を抑えると、高い密度のエッグクリームに阻まれ全然コーラが入っていかない。クリームが上にこんもりなるまで注ぎ込んでみたが、美しく2層に分かれることもなく泡の塊みたいなものが出来上がった。思ってたんと違う。

いざ飲んでみようと思うのだが、エッグクリームが圧倒的に多くてコーラにたどり着かない。とりあえず付属のパンでクリームを掬って減らし、付属のストローをクリームに刺して飲んでみる。コーラが完全にエッグクリームに押し負けていて、水っぽいコーラ風味のエッグクリームになってしまった。そして人工甘味料の後味も濃厚な練乳の甘さと絶妙に合わない。なぜペプシゼロシュガーを選んだ?

一説によるとエッグコーヒーはミルクが不足していた戦後、苦味と香りの強いベトナムコーヒーを楽しむための代替品として考案されてたという。残念ながらコーラではエッグクリームのお相手は明らかに力不足。せめて有糖コーラを使っていれば後味はもう少しまとまったかもしれない。

後ちびちびとコーラをグラスに注いでは飲み、30分くらいかけて完飲した。アメリカーノにすればよかったかな・・

 


 

後半エッグクリームに持っていかれたが、ベトナム・ハノイのコーラの風景はとても興味深かった。コーラ飲料がまだ清涼飲料の中心にいる国。LightとZeroの二つのノーカロリーコーラが共存し、より穏やかな風味のlightがより好まれる国。 ハノイのコーラに、この国のグローバルの潮流に流されない力強さと、新しいこと生み出し楽しむ革新性を感じずにはいられなかった。

奇しくも2026年に北米でDiet Cokeのフレーバーが復活し、Zero Sugar一辺倒だったコカ・コーラの戦略が転換期を迎えた。世界がベトナムに追いつきつつある。

 

   

→津々浦々 ベトナム・ハノイ編2026 (前編)

→津々浦々 ベトナム・ハノイ編2026 (中編)