Topics! 2003/09/06
まさに必然ともいえる展開だ。ライバルのスマッシュヒット「Vanilla
Coke」に対抗して、米PEPSIは8月よりバニラ味のペプシコーラを市場に投入、話題を呼んでいる。
今回発売されたのは「PEPSI Vanilla」と「Diet PEPSI Vanilla」の2種類。ブランドカラーの青とバニラの薄黄色を使った今までにないデザインが目を引く。｢PEPSI Twist」に代表されるように同社のフレイバーコーラはひねりを利かせた名前が多いが、今回はコカ・コーラの模倣とも取れるストレートなネーミングである。
ただ味のほうはライバルと明確な差別化を図っている。PEPSI Vanilla のキャッチは｢Not so Vanilla...Vanilla｣。つまりバニラフレーバーを効かせすぎないライトな口当たりを強調し、Vanilla Cokeが取り込めなかった層の獲得を狙っている。
しょっぱなからガツンとバニラがくるVanilla Cokeに対して、こちらは後からバニラが追いかけてくる印象で、たしかにスッキリ系。ただペプシ自体が甘いので、飲んでいるうちに徐々にしつこくなってくる。このあたりは甘味フレーバーコーラの宿命かもしれない。
PEPSIがバニラコーラの開発を急いだ背景には、今年前半に発売したベリー味のペプシ｢PEPSI Blue｣が伸び悩んでいることが挙げられる。ただ今年に入ってPEPSIはライバルと異なる路線で勝負してきただけに、ここにきてのバニラに追従するのはいささか残念な気がする。
コカ・コーラも夏より｢Diet Vanilla Coke｣を投入しており、北米のフレイバーコーラ市場は混迷の度を強めている。
(中本)
