TaB CLEAR（日本）

93年に発売されたコカ・コーラの透明コーラ。

このオリジナルは同年発売されたアメリカのTaBのクリアー版“Tab CLEAR”で、これはCrystal PEPSIの対抗商品として開発されたもの。日本ではTaBもCrystal PEPSIも発売されなかったため、降って湧いたような登場だった。俵幸太郎のCMもセンセーショナルで当時かなり話題になった。

TaBのロゴを踏襲しつつ、シルバーを基調にしたクールなデザインが目を引く。Coca-Colaレッドとセロリアンブルーという独特の配色も面白い。試験販売の色が強かったためか「Authorized by Coca-Cola」や「日本コカ・コーラ株式会社認定」といった微妙なニュアンスの表現が目立つ。

アスパルテームの味の勝ったコーラで、ややバランス的にちぐはぐの印象がある。ただ「氷を入れるとうまい」などの情報もあり、評価は分かれるようだ。しかし当時のダイエットコーラの受けの悪さを考えると本品の投入はやや無謀であり、結果翌年には製造中止になっている。

ただタブクリアは単年生産のコーラとしては知名度はきわめて高く、話題性の面では大成功であった。発売から10年たった「週間宝石」の缶飲料特集でSASUKEなどと並んで「伝説の四天王ドリンク」に選ばれている。記録より記憶に残るコーラ、といえば失礼だろうか。