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今月の珍品 / コーラ in アーケード
中本 晋輔

ゲームセンターは大変恐ろしいところである。とにかく生産性がない。特にユーフォーキャッチャーのような「取りゲー」に嵌まってしまうと金がどんどん無くなってしまう。そのうえ冷静になって考えたら絶対いらないようなものでも何故か大量投資してしまったりするのだから始末が悪い。家に「これ、どうすんねん」みたいな謎のアイテムがあって処理に困っている方も多いのではないだろうか(私もそうだけどね)。

そんなゲーセンアイテムの中にはコーラに絡んだものもある。こいつらは私にとって極めて危険で、気が付けば何枚目かの千円を両替機に突っ込んでいたりする。今回コーラ四季報創刊2周年記念ということで、私中本が物欲よりも義務感に駆られて取ったゲーセン・コーラ系景品を一挙に公開しよう。名づけて「コーラ in アーケード」! 嗚呼、自己嫌悪・・・。

1.ライター編

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No.001 Coca-Cola 缶型スケルトンライター
推定投資額 500円

ゲーセンでは、何故かコーラのロゴの入ったライターが多く存在する。その中でも比較的よく見かけるのがこの缶型である。プルタブに当たる部分にツマミが付いていて、それを引き起こすと中の 赤と緑のダイオードが点滅 、最後まで押し込むと着火するようになっている。市販の100円ライターより使いやすいのだが、ダイオードの点滅が激しすぎてかなり恥ずかしい。使うときは1人でこっそりと。

コカ・コーラのロゴの印刷されたビニールが巻き付けてあるだけなので、場所によってはBudweiserだったり居酒屋の名前だったりすることもある。そのロゴでさえ、かなりバッタモンくさい。特にコンツールカーブ(ロゴの下の赤い波)なんか絶対本物と違うぞ。ちゃんと許可取ったの?と聞きたくなるような一品である。

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No.002 Coca-Cola 王冠型ライター
推定投資額 800円

コカ・コーラのライター第二弾。こっちは王冠型である。褐色ボトル(何故?)の先が上部から不自然に突き出ていて、それを押し込むと着火する仕組みになっている。ただ着火口とスイッチが結構近いので、風向きによっては指を焼く可能性がある。キーチェインが付属し、裏には栓抜きまでついていて使い勝手はかなり良さそう。ただしこのアイテムも場所によってはロゴがBudweiserだったりするので注意が必要だ。

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No.003 Royal Crown Cola ジッポ型ライター
推定投資額 1200円

コーラグッズとしてはかなりマイナーなRCのライター。印刷されている絵は50-60年代のRC社の広告用看板のコピーと思われる。一体どれほどの人がこのライターの意味を理解できるのだろうか。 前の2つと違って芯とギア(回すと火花がでるやつ)のついた本格的なライターで、ボディもすべて金属製。なかなか洒落たアイテムである。ただZIPPOと比べるとかなり安っぽく、性能も劣る(というかちゃんと火が付かない・・・・)。あくまで鑑賞用の域を出ない。 [写真:蓋を開けたところ]

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No.004 PEPSI MAN ターボライター
推定投資額 100円

コーラライターの極めつけは何といってもこのPEPSI MAN ターボライターだ。最近流行りの防水ターボライターとペプシマンの組み合わせはなかなかキャッチーでいいセンスなのだが、問題はペプシマンのイラスト。いつもの「SHWAAAA」の決めポーズのペプシマンなのだが、その胸部と股関節の当たりに妙な隙間があるのだ。全体的にも何だかぎこちないし・・・・。

と思っていたら、全く同じ写真がバンダイのフィギュア「PEPSI MAN HEAD CHANGE ACTION FIGURE」の箱の裏に使用されているのを発見。このフィギュアは脚を動かすとペプシマンの頭が入れ替わる仕掛けで、そのため胸部と股関節にギミックになっている。つまりこのライターの絵は ペプシマンのコピーではなくペプシマンの玩具の写真のコピー なのだ。どうせなら本物を使って欲しかった(笑)!。

2.キーホルダー編

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No.005 Coca-Cola キーホルダー(ボトル)
推定投資額 各200円

ライターの次によく目にするのがキーホルダーである。中でもコカ・コーラの象徴とも言うべきホブル瓶型のモデルはゲーセンアイテムの定番で、雲霞のように定期的に取りゲー内に大量発生する。この「Coca-cola brand key holder」もそんな中の一つ。ちゃんとコカ・コーラ社に許可を取って製造されているようだが、その分だけ製品に金をかけられないのでどうしても安っぽくなってしまう。特に4本パックのほうはボトルが一体形成されていて王冠まで黒かったりする。遠目から見るぶんには問題はないけど。

余談だが、コカ・コーラのライセンスグッズには何故か2代目(1904-1916)のキャッチコピー"Delicious and Refreshing"が使われることが多い。本品もその典型である。

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No.006 Coca-Cola キーホルダー(ベンダー)
推定投資額 各200円

コカ・コーラのキーホルダーとしては珍しい自販機型のモデルがこれ。左が缶、右は瓶のベンダーで、レトロな初期型のデザインである。ただ所詮箱型のデザインであるため上のボトル型よりさらに安っぽく見えてしまう。タグには「*この商品は一般市販されていません」とあるけど、市販しても多分売れないぞ、これは。

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No.007 Pepsiman キーホルダー(各種)
推定投資額 100-500円

すっかりキャラクターとしての地位を獲得したペプシマン。その人気はペプシコーラ自身を上回るほどだ(本末転倒・・・)。ゲーセンでもその人気は衰えを知らず、多くの取りゲーの中で彼らを見る事ができる。

ペプシマンのキーホルダーは種類が豊富で、デザインだけでも初期型(普通のペプシマン)、青ペプシマン、缶入り(下半身がペプシの缶に入っている)など様々。選択の幅が広いのは嬉しい限りだ。ただ注意してほしいのはこれは他のコーラアイテムと違って400円程度で市販されている、という点。200円使って取れそうになかったら素直に買うのが正解だろう。

ちなみにキーホルダーの中には フラッシュ機能(揺らすと光るやつ)の付いたもの があるが、ポーズが同じで大変紛らわしい。こちらは市価800円くらいするので、積極的に狙ってみるのも良いかも。

3.その他

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No.008 Coca-Cola パブミラー
推定投資額 1000円

ロゴやデザインなどを表面に印刷した鏡をパブミラーという。無論実用には向かないが、高級感があり部屋のインテリアなどにすると見栄えのする洒落たアイテムだ。市販されているものの殆どは壁掛けタイプだが、ゲーセンではスタンドタイプが主流となっている(大きいと取れないからね)。ゲーセンものの多くはアニメ系のデザイン(何故かデビルマンが多い)だが、まれにコカ・コーラのものがあったりするので油断は禁物だ。

真鍮製のフレームに入った本格的なパブミラーで、出来はなかなかのもの。ミラーに印刷されている絵は1904年からの"Delicious and Refreshing"キャンペーンの時に製作されたコカ・コーラの看板である。この頃独特の、どこか中世ヨーロッパを思わせる煌びやかなデザインが目を引く。

キーホルダーやライターに比べ値の張る商品だけに、取り難く設定してあることが多い。特に爪の力が弱く設定されている台で重いパブミラーを持ち上げるは至難の技なので、まず100円入れて試してみるのがいいだろう。1回分お得だからといっていきなり500円玉を入れないように注意!

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No.009 Coca-Cola プラッシュトーイ
推定投資額 1500円

98年夏コカ・コーラはキャラクターを前面に押しだしたキャンペーンを展開した。使用されたのはこれまでCMにたまに出てくる存在だったポーラーベア。これまで偶像崇拝を否定してきたコカ・コーラにとってこれは大きな転機であった。この動きはすぐに玩具業界に反映され、秋にはポーラーベアのグッズがゲーセンに出現するようになった。

正式名称「Coca-Cola brand Plush Toy」というこのアイテム、要するにポーラーベアのヌイグルミである。ロゴ入りのマフラーをした熊のボーダーというのがいかにもハヤリモノっぽくて面白い。難点は顔がコカ・コーラ熊に似てないことか。製造元が上記のキーホルダーと同じ(株)協和なので、手にしているボトルにキーホルダーと同じパーツが使われているのはご愛敬である。


コーラグッズは爆発的なブームにならない代わりに、息が長く新製品が細々と出続けるのが特徴だ。興味のある方はこまめにチェックする事をお薦めする。またペプシ以外のグッズは意外と非売品が多いので、どうしても欲しくなったら悲しいかな頑張るしかない。惚れた弱み、というやつである(ちょっと違うか)。

ここで私なりのアドバイスを少々。欲しいものがあっても2、3回やってみて取れる気配がないときはすっぱりあきらめた方がいい。ゲームセンターではたくさんのの店に同じアイテムが入る事が多いので、一軒でハマるよりは取りやすい台を探したほうが効率がよい。またゲーセンアイテムは新旧交代がかなり早い。人気の無いものは半月くらいで無くなってしまうので、「ここはいける!」と思ったら一気に取ってしまおう。

それからもう少しで取れそう(クレーンで持ち上がったけど途中で落ちた、等)とき、悔しさのあまり台を反射的に殴る人がいるが、それは極力避けるべきだろう。私の知り合いに、買ったばかりの指輪をしたまま殴って石を傷物にした奴とか、思いっきり殴ってガラス(プラスチックだけど)を割ってしまった奴などがいるが、両者とも金銭的以外にかなりのダメージを受けていた。ちなみに後者は係員が来る前に逃走したが。

それでは皆さん、くれぐれもハマりすぎには十分注意して楽しく遊びましょう!


[四季報 1999年4月号] [コーラ白書] [HELP] - [English Top]
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