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Cola Collectibles / コカ・コーラ X'mas コンツアーボトル
中本 晋輔

bottle image やさしい笑顔に真っ白なあごひげを蓄え、鮮やかな赤い衣装に身を包んだサンタクロース。このサンタのイメージがコカ・コーラの広告に由来すること言えば驚かれる方は多いのではないだろうか。1931年コカ・コーラ社は当時すでに有名だった画家 Haddon Sunblomにクリスマス用広告の製作を依頼し、彼はその後33年間にもわたって人間味溢れるサンタの絵を描き続けたのである。サンタの衣装が赤色なのは、実はこういった理由からなのである。今回紹介するのはこれらの魅力的なHaddonの初期の作品をあしらったミニチュア・コンツァーボトルである。

ここで少しミニチュア・ボトルについて述べておきたい。コカ・コーラのミニチュアボトルはコレクターの間で高い人気を誇るグッズの一つで、1920年代には既に製造されていたという記録がある。昔はプラスチックで作られた物が主流であったようだが、最近では様々な趣向を凝らしたものが見られるようになった。特に数年前に発売された「Evolution of Coca-Cola contour bottle」はかなりの人気商品であったようだ[⇒98/7月号]。本品「Evolution of the Coca-Cola Santa」はこの秋発売されたEvolutionシリーズの2作目にあたる。

bottle image 今回のものはミニチュアのホブル瓶6本セットで、左から順に31-36年のHaddonの広告作品が描かれている。クリスマス仕様のため絵の背景が緑色になっていて(オリジナルは黒)、それぞれのボトルの首には赤いリボンが結わえつけられている。ボトルはガラス製で、中の黒い液体に金属の王冠までちゃんと再現されているという芸の細かさが光る。また赤と緑で統一されたショーケースにはそれぞれの年の広告スローガンや原画・Haddonに関する情報などが記載されていて、コーラの資料としても価値は高い。完成度の高い洒落たアイテムだけに、今回も人気は高そうだ。

裏に"Series One"とあることは、おそらく来年以降に1937年以降の作品のセットが発売されるのだろう。ちなみに今回入手したボトルセットは初回限定バージョンらしく、裏には"becoming a true collectible over time "なんて調子の良いことが書いてあった。日本に入ってくるのかどうかは時期的に微妙だが、どうしても気になる人は輸入雑貨店をこまめにチェックしておこう。コカ・コーラ社の博物館「World of Coca-Cola Atlanta」のフラッグシップストアにて購入。価格$38也。


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