
中本 晋輔
明けましておめでとうございます。コーラ白書プロジェクト代表の中本です。この原稿が公開されるころにはY2K問題で停電になるは水は止まるは寒いはできっと阿鼻叫喚の巷となっていることでしょう。あれ、ニュージーランドは問題なかったみたいですね。チッ!
というわけで今回は、以前一部でやたら人気の高かった「思い出のジュース達」の第2弾、その名も「思い出のジュース達2」をお送りします。今「そのままやないけー」と突っ込んでくれたあなた、いい感じです。コーラ収集のあいまに出会った謎なジュース達の一挙大公開、行ってみましょう!
1. 宇宙は青かった。
ギャラクシードリンク(宇宙味) / ユニコン
某深夜番組で紹介されたことでも有名なユニコンのハイテンションな一品。青色一号の醸し出す絵の具のような青色がプリミティブだ。ラベルの10年前の未来予想図のようなスペースステーションの絵のセンスが光る。そしてその上にはキリル文字で「ギャラクシードリンク」と書いてあるではないか・・・
[写真]。はたしてロシア語で宇宙を「ギャラクシー」というのかどうか考えたとき、人は子供時代に別れを告げるのである。
2. ビール戦線異常あり。
右 チョコベアビア / ロスチャイルド・サッポロ
左 紅茶ビール / 日本ビール株式会社
巷ではビールと発泡酒との戦いが本格化しているが、裏街道にはこんなやつらも存在する。チョコベアビア!「世界初のチョコビールは甘くてほろ苦い初恋の味。」って言われても、何か釈然としないものを感じるぞ。その上「愛はそんなに甘くない!!」など、別に聞いてもないことが裏に延々書かれている。ちなみに原産国はアメリカである。
対する紅茶ビールはベルギー産。「自然発酵・二年熟成品」って書いてはあるけど、紅茶ビールにとってそれが凄いのか凄くないのかさえ良くわからない。4種類の紅茶を混ぜてあるだけあって、香りがなんだか複雑。なんともいえない不思議なビールであった。しかし何故紅茶・・・・。
3. 北の国の暴走。
北の国から / 森永製菓株式会社
夏になると青い可憐な花をつけ、訪れた人々を和ませるラベンダー。すっかり北海道の名物となったこの植物をジュースにしてしまったのが本品だ。「富良野のラベンダーエキスを使用した北海道ならではの飲料です」って、北海道の人はラベンダー食ってるのか? 花は見るだけにとどめたいものだ。
4. 北の国の暴走その2。
根昆布ウォーター / 北海道ミネラルウォーター
「桃天」など、その洗練されたイメージですっかり定着した感のあるニア・ウォーターだが、北海道にはとんでもないやつが存在する。「根昆布」である。原材料名は根昆布とミネラルウォーターのみという潔さが素晴らしい(JAS規格では原材料名の記載は多く含まれる順となっている。もしかして水より昆布の方が多いのか?)。なんだかヌルヌルする上にヨードの味(?)がきつくて3口でギブアップ。鍋なんかに入れるといいかも。
5. 尋ねられても。
これおいも!? / 宮崎県経済農業協同組合連合会��
特産品を無理やり飲料にしてしまうのは北海道に限った話ではないようで、南国宮崎にもそんなジュースが存在する。こんどは沖縄特産の「ベニ芋」だ。ベニ芋は持ち出しできないのにどうやって宮崎で作っているのか気になるところだ。ポリフェノール&植物繊維入りと最近の流行を取り入れてはいるが、それがほとんど底に沈殿しているぞ。個人的には芋は蒸かして食べたいのだが。
6. ロッテガム・ジュース化計画か。
右 MINT BLUE SODA / ロッテ
左 Black Soda / ロッテ
97年夏に発売されたロッテの新製品の中でもひときは目を引いたシリーズがこれ。どこかで見たことあると思ったら・・・そう、ロッテのガムシリーズなのだ。このままコアラのマーチドリンクやパイの実ジュースなどが発売されてしまうのかと危惧されたが、結局このシリーズ自体2年くらいでなくなってしまった。安心したような残念なような・・・。
7. 真夏の記念缶
麦茶 / ほっかほっか亭
飲料業界はイベントには敏感で、様々な記念缶が発売される。その多くはクリスマスやスポーツチームの優勝などであるが、中にはこんなイベントの記念缶も存在する。7月土用の丑である。土用の丑といえばウナギ、といううなぎを前面に押し出したデザインが凄い(一瞬うなぎドリンクかと思ったじゃないか)。彼の目が妙につぶらなのも高得点だ。脂の乗っていない夏のうなぎが旨いわけないと思うのだが、どうだろうか。
8. マロンよりマロン味
まろやかマロン / 宝酒造株式会社
汁気のない木の実はジュースにはならない、なんて思ってないだろうか? 飲料業界ではあのパサパサの栗だって飲み物になってしまうのだ。原材料名には「栗」の表記が光る。販売者は「バナナコーラ」で有名な宝酒造だが、実際に作っているのはは丸善食品工業という長野の会社。開けたとたんに激しい栗臭が襲う。味は栗というよりモンブランで、牛乳25%のせいかやたらまろやか。暖めると結構いけた。
9. Make Me Feel High
ティラミスドリンク / サンガリア
今から10年近くまえに吹き荒れたティラミス・ブーム。それに乗じて発売されたのがこの「ティラミス・ドリンク」である。発売元はサンガリア(本社大阪)だ。これを流行に敏感と評価するのが妥当かどうかは意見が分かれるところだろうが、彼らのチャレンジ精神には頭が下がる。解説によるとティラミスとは「Make Me Feel High」という意味らしいが、たしかにテンションが高くないと手を出せない一品である。
10. ドクター中松の野望。
ドクター中松の頭においしい茶 / チェリオジャパン
94年に発売され、一部の(偏った)飲料愛好家の間で話題になったチェリオのお茶。なんとあのドクター中松が10年かけて開発したものらしいのだ(笑)。中央の氏のイラストの周りには彼の経歴が延々と記されている。裏には「沈殿成分も有用だから飲め」みたいなことが書いてあって、かなり強気ムードだ。しかし最も気になる「何故頭にいいのか」については一切コメントされていないあたりがいかにもドクター中松らしい。次は「環境ホルモンに強くなる茶」みたいなのを出してほしいなぁ。
11. ガンバレ・日本。
パティオ 日本茶茶茶 / ペプシコ・ジャパン
一方こちらは駄洒落系だ。中身は緑茶、たしかに日本茶である。この製品を作っていたのは今は亡きペプシコ・インク日本支社。同社はこの他にもリバーシブルドリンクと称した冷やし飴(暖めれば「あめ湯」になるかららしいが)を発売するなど、独特のセンスが光っていた。裏には「パティオはペプシコーラの姉妹品です」との表示がある。日本茶茶茶と姉妹関係にされてしまってはサントリーも心穏やかではないだろう。
12. 史上最強の緑茶
ARIZONA
世の中に勘違いほど強いものはあるまい。今回の取りを務めるのはアメリカ産の緑茶「アリゾナ」である。ボトルの肩の「緑茶」の表記が不気味だ。何が凄いってこの緑茶、何故か高麗人参と蜂蜜が入っているのである。味は蜂蜜の甘さと高麗人参の薬くささ、それに緑茶特有のカテキンの爽快さがあいまって、なんとも言われぬ摩訶不思議な味を醸し出している。少なくとも私の飲んだどんな飲み物にも似ていないぞ。アメリカの皆さーん、緑茶はこんなんじゃありません!
1999年12月31日に書き始めたこの原稿も、終わってみれば2000年1月23日。月日のたつ早さをしみじみと実感しつつ、今回はこのへんで。本年もコーラ白書をよろしくお願いします。
[四季報 2000年1月号]
[コーラ白書]
[HELP] -
[English Top]
Copyright (C) 1997-2000 Shinsuke Nakamoto, Ichiro Nakahashi.
|