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中本 晋輔 ここ数年アジアの諸国では「日本」がブームになっているそうだ。韓国で日本の歌手が熱狂的に迎えられたり、台湾で日本フリークの若者「哈日族」が社会現象になっていたりと、昔なら考えられなかった現象が様々なところで起きている。そんな中香港とタイで「日本」をモチーフにしたコーラの記念缶が立て続けに発売された。そう、今回の対決のテーマは「日本缶」である。 昨年の夏に「日本缶」を発売したのが香港のCoca-Colaだ。これはセブンイレブンとの共同キャンペーン用に作られたもので、一般に市販されなかったらしい。それぞれ日本の特産物とそれについての日本語の形容詞がデザインされていて、新幹線「すごい」・寿司「おいしい」・鳥居「楽しい」・鯉のぼり「おもしろい」の全四種類。独特の絵のタッチと見たこともない日本語フォントが強烈なまでの脱力感を醸し出している。腰砕けっ! この缶は250mlながら、直径が350ml缶と同じ。そのため何だかずんぐりした印象を受ける。香港Coca-Colaはキャンペーン用にこのサイズのものをよく使用しており、この冬も「ポーラーベア・シリーズ」をリリースしている。缶の裏にはCoca-Colaのロゴと、"Hong Kong Limited Edition, Not For Retail Sale(非売品)"のマークが入っていおり、コレクター心をくすぐる。ちなみに新幹線は中国語で「子弾火車」というらしい。ちょっとかっこいいね。 対するPEPSIはタイで2000年12月にリリースされたばかりのニューイヤー缶。PEPSIのメタリックブルーの背景に描かれているのは富士山、鳥居、そして着物を着た白塗りの不気味な男女!こ、怖い!これではまるでウォーズマンだ。またその下の「あけましておめでとう」も、字が汚いうえ何だか偉そう。これは傲慢な日本人に対するタイからの無言の抗議なのか? と思ったら、実はニューイヤー缶はタイ・アメリカ・中国・日本の4種類があって、全部同じような画風であることが判明。悪意をもって日本を不気味に描いているわけではなさそうだ。以前にもタイでは不細工なダース・ヴェーダーの記念缶が発売されていて、タイではあまりイラストのクオリティは問題にならないのかもしれない。それにても怖い。 脱力缶vs恐怖缶の勝負になった今回の対決だが、個人的にはPEPSIに軍配を挙げたい。正月だというのに妙な禍々しさすら漂うデザインは、数あるPEPSI缶の中でもトップクラスのインパクトだ。それにしてもアジアの人達の間では日本といえば「鳥居」なのだろうか? |
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