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PEPSI 2001年宇宙の旅 オフィシャルウォッチ

中本 晋輔

いまから3年前、PEPSIが我々の度肝を抜くキャンペーンを発表したのを覚えているだろうか。「PEPSI 2001 SPACE TOURS」。アーサー C.クラークの小説を思わせるこのキャンペーンは当選者を2001年に宇宙に連れて行くという、まさに夢のような企画だった。2001年最後のこのコーナーではそのときの景品、「SPACE TOURS OFFICIAL WATCH」を取り上げる。

まずパッケージだが、これがなかなかかっこいい。スターウォーズを意識したキャンペーンのロゴの上には宇宙に漂うペプシの缶。またキャンペーンシンボルはペプシグローブの周りを宇宙船が8の字を描いて飛ぶものだが、これはアポロ計画のパロディだろう(註1)。

腕時計には「ReWATCH」を採用。これはエコロジーをコンセプトにした、ベゼルを空き缶から、ベルトを車の革シートからリサイクルしたとスイス製の時計である。ベゼルの空き缶はもちろんペプシのもので、そのためそれぞれ模様が違うのが特徴。オークションなどで購入の際はこの点もチェックしたい。

これに専用のアルミのケースがついてくる。ReWATCHのエンボスロゴの下にはアクリルの窓があって、時計を収納しても文字盤が見える仕組みなっている。なかなかお洒落でコレクター心をくすぐる仕様だが、視点を変えれば明らかに過剰包装。まだ「エコロジー」がファッションだった頃のアイテムともいえる。

さすがスイス製だけあって、使い勝手はなかなか良い。高圧プレスのベゼルが少しゴツゴツするがこれはご愛嬌だろう。「2001」と大きくかかれると今年つけるのは照れくさいが、5年も寝かせればいい感じになるだろう[文字盤拡大]。

世紀末の我々に宇宙時代の到来を予感させてくれたペプシだったが、実はこの企画はいまだ達成されていない。というのもアメリカ経済の低迷の影響で主催・SPACE ADVENTURES社の資金繰りが悪化し、飛行船がまだ完成していないそうなのだ。企画は中止ではなく2005年に延期だそうだが、その頃までに円安が進行しないことを祈るばかりである(註2)。頑張れ日本経済!。


註1 宇宙旅行といっても実際は高度100kmの「宇宙飛行士高度」に約3分間滞在する擬似宇宙旅行。でも無重力は体験できる。

註2 ツアー参加費は$98,000だが、日本の法律では懸賞の最大金額は1000万円と決められているので残りは当選者が自己負担。$1=200円になると約1000万のカブりとなる。