コーラ白書
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特集「コカ・コーラ 北京オリンピック記念パッケージ」

中本 晋輔

開催まで4ヶ月を切り、いろんな意味で盛り上がりを見せる北京オリンピック。その老舗スポンサーでもあるコカ・コーラ社は世界各地で様々なキャンペーンやイベントを展開し祭典を盛り上げている。

今回はそんな中でも最も身近なキャンペーンの一つである記念パッケージを特集してみる。


中国ではオリンピック開催が決定した2001年夏から記念缶を散発的にリリースしてきたが、07年末に満を持して特別デザイン缶3種類を同時に発売した。

07-08のコカ・コーラ世界共通キャンペーン“The Coke side of Life”のフォーマットを使ったグラフィックがベース。ボトルの上には聖火リレーのトーチや「鳥の巣」と呼ばれるメイン会場などが配置され、祭典前らしい賑やかで楽しげなデザインが印象的だ。

またボトルの横にはオリンピックの印章とコカ・コーラのロゴの入ったエンブレムが登場。このエンブレムはDiet CokeやVanilla Coke(香草味可口可楽)などの製品パッケージに印刷されており、08年初めにリリースされたニューイヤー缶6種類にも見ることができる。

Diet Cokeなどの「通常缶」もオリンピック仕様になっている。ロゴ下のダイナミックリボンにカラフルな五輪が入り、これが泡のように立ち上るグラフィックに変更されているのだ。特別パッケージよりもこういうちょっとした変更にオリンピックを実感させられる。

Cokediet Cokediet Coke with Lemon
オリンピック仕様の通常缶。グラデーションのある輪は5つだが、周りを合わせると13個くらいある。

珍しいところでは機内のみで供されるAIR CHINAとコカ・コーラ、北京オリンピックのトリプルロゴ缶というのもある。AIR CHINAは本大会のエアラインパートナーであり、また機内でコカ・コーラを提供することから実現した記念缶だ。グラフィックはシンプルながら、下に小さく書かれたOnly for Air Chinaの表記が印象的。

やたらロゴばかり並ぶ。クリックで拡大。

缶だけでなくペットボトルにも特別バージョンが登場している。600mlのペットボトルは日本の物に比べると細長く、中国の昔のガラスボトルを彷彿とさせる美しい形状だ。紙ラベルが上記のオリンピックデザインになっているのに加え、特筆すべきはグリップの部分にコカコーラのロゴとオリンピックの印章がエンボスされている点だ。

このためだけにブロー金型つくったのだろうか?

余談だがコカ・コーラのパッケージには成分表示(Nutrition Facts)が表記されるようになった。項目数が製品によって違うのが興味深いが、これは中国の法令ではなくコカ・コーラが独自に行っているからだろう(ペプシには成分表示はない)。積極的に情報開示をしてブランドイメージ向上に結び付けたい考えなのだろう。


日本で08年2月下旬にリリースされた記念350ml缶は、なぜか世界共通キャンペーンではなく独自グラフィックを採用。白いコカ・コーラボトルに赤字のロゴ、その後ろからオリンピックカラーの後光が射すというなんだかお目出度いデザインであるが、注目すべきは赤字のロゴマーク。これがアルミ缶上でエンボス加工されているのだ。

アルミ缶の表面加工は「氷結」などで採用されているが、ロゴを立体的に加工した量産品は稀。持ったときの感覚に高級感があり面白い。ちなみに米コカ・コーラが80年代に試験販売したエンボスタイプの缶は自販機に入らないという致命的弱点があったが、本品は自販機で購入可能である。

次いで4月13日からはセブン&アイ限定で記念ボトル3種類を発売。シュリンクフィルムを全体に使用した250mlワンウェイボトルで、パッケージの側面いっぱいに龍や潮(?)・紋章をフィーチャーしたであろう、人生ゲームのコマがスポーツしているような微妙な絵柄などが入っている。

個人的にはガラスに直接印刷した昔の記念ボトルのほうが好きだっただけに、最近のこの仕様はちょっと残念である。


 

ちなみに中国ではペプシもがんばって記念缶をリリースしているが、顔を並べたものや星座を集めたものなど微妙なものばかり。やはり国家行事には敵わないということなのだろうか・・。