コーラ白書
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今月の一冊「マイコーラ/新しいお飲み物の作り方」

なかはしいちろう

私事で恐縮だが、この度引っ越しをした。常夏のフィリピンから東北・福島県への大移動。米どころで銘水が湧くとなれば、当然コーラよりも日本酒なのである。いっそ分離独立して「日本酒白書」でも始めようかと思ったが、コーラほど明確に味の違いを語ることができないので難しそうだ。

MyCola冊子そんなわけで、今回ご紹介するのは「マイコーラ/新しいお飲み物の作り方」と題された小冊子である。製作は明治屋。ジャムのブランドや輸入食品の取り扱いで有名な食品企業である。大都市圏には直営の食料品店もあるのでご存知の方が多いだろう。

印刷された年代は不明だが、明治屋のウェブサイトによると「マイコーラ」の発売は昭和33年とある。デザインや表記からみても昭和30年代の物と見て良さそうだ。幾何学形状を活かしたモダンなデザインが意欲的である。活版ならではの活字の暖かみも嬉しい。

そのマイコーラ、「濃縮フルーツ・コーラ」なのだという。何だかイロモノ感が漂うが、実はそうでもない。

まず「フルーツ」について言えば、日本ではなぜか人気の出ないCoca-Cola Cherryも世界的に見れば定番商品だし、喫茶店でコーラを頼むとまず間違いなくレモンスライスが付いてくる(こちらは世界的に珍しいように思うが)。そもそもコカ・コーラの原液はライム果汁をベースにしているというのが定説であり、コーラとフルーツの相性はとても良いのである。

そして「濃縮」のほうだが、コーラというのは本来原液=濃縮シロップを炭酸水で割って作るものであり、こちらも別におかしいところはない。長期間保存しても風味が安定しており、運搬も楽。しかも、好みに応じて様々な飲み方ができるのがシロップの良いところだ。

内容この小冊子には30以上の「マイコーラ」の飲み方が解説されている。例えば「グレナデン・マイコーラ」はグレナデンシロップ(ザクロのシロップ)15ccとマイコーラ20ccを8オンスのタンブラーに注ぎ、炭酸水で割ったものだ。ザクロの高貴な赤色を想像するだけで胸がときめかないだろうか?

その他にも「MY COLA HIGH BALLS」(ウイスキー等とのカクテル)、「MY COLA HORSES NECK」(ジンジャエールで割ったもの)など興味が尽きない。最後に、冬に楽しめそうなレシピをひとつ引用しておこう(表記は原文ママ)。

マイコーラ エツグ ノツグ

マイコーラ 20cc
卵黄 1ヶ分
ラム 10cc
ブランデー 30cc
牛乳 50cc
砂糖 1TSP

以上をよくシエークして大型オールドフアツシヨングラスに注ぎナツメグをふりかけて供進する。