コーラ白書
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対決! Coke vs PEPSI「食品メーカーコラボキャンペーン対決」

中本 晋輔

コーラのオンパック(オマケ付き)キャンペーンは、対象商品のサイズによって趣が異なる。購入者と消費者が一致する500ml以下の小型パッケージでは収集心をくすぐるコレクション系玩具がよく使用される。最近はやや下火だが、最盛期のボトルキャップなどがその好例だ。

一方スーパーなどで1.5リットルペットボトル等に妙なオマケが付与されているのを見かけることがある。おそらくお母さんが家族のために購入するケースを想定した、ちょっと実用的でお得感のあるアイテム。間違ってもフルコンプを煽ったりはせず、コーラなんてどれでも一緒と思っている購入者に選んでもらうべくオンパックされているのだ。

今回はそんなスーパーの「ちょっと実用的」なオマケの中で、食品メーカーとコラボレートしたものを選んでみた。

 

コカ・コーラは2008年6月にブランドイメージを一新した老舗調味料メーカー、キッコーマンとのコラボレーションを展開。1.5リットルのペットボトルに、なんとキッコーマンの焼き肉のタレ「我が家は焼肉屋さん」の試供品がついてくるという実用感満点のオンパックなのだ。食玩に慣れた目にはかなり斬新に映る。

特筆すべきは焼肉のたれが単なる試供品ではなく、両社のデュアルロゴ入りのオリジナルパッケージである点だ。外装には"Family meal, on the Coke side of Life"という見慣れないキャンペーンロゴの隣に新しいキッコーマンの小文字ゴロが入っている。また本体の袋には「スタミナ料理とコカ・コーラで新生活に活!」というキャッチが入り、同社のサイトでスタミナ料理のレシピまで公開している。「非売品」の表記が眩しい。

「焼き肉屋さん」オンパック
中辛と辛口の2種類がある模様。

一見意外な組み合わせにも見えるが、日本コカ・コーラは設立当初からキッコーマンと関係が深く一部は資本関係にある。今回のオンパックもキッコーマンのブランド刷新に合わせたキャンペーンと見ることもできる。

 

対するペプシは老舗食肉加工メーカー・日本ハムをパートナーに選んだ。国内の旗艦ブランド「PEPSI NEX」と、1966年から続くロングヒット商品「ウィニー」との異色コラボのオンパックアイテムは「アニマルソーセージマグネット」!ちょっと和んだ。

アニマルソーセージとはお母さんがお弁当に作ってくれる動物型に飾り切りしたウィンナーの名称らしい。それをフィギュア化してマグネットにしてしまうのがサントリーの凄いところだ(日本ハムは開発協力)。パッケージは当然ペプシと日本ハムのデュアルロゴ仕様である。

このフィギュアの出来がまたかなり良い。ウィンナーの質感や端っこの皺の部分まで見事に再現されている。その完成度たるや一目見ただけで「これはシャウエッセンではなくウィニーだ」とわかるほど。

タコ 前から タコ 後ろから
着崩したキュウリの鉢巻きがチャーミング。

このシリーズは全部で8種類で、他にもぞうやライオン、ペンギンなど様々なバリエーションがある(註)。裏面には詳細な作り方が記載されているが、これがかなり本格的。タコさんではボイルして足を開かせるだけに止まらず、輪切りにしたきゅうりをくり抜いて鉢巻きにしたりパスタとゴマで顔を描いたりとディティールにまで凝っている。忙しい朝にそんな余裕はあるのか?

 

今回の対決はペプシ・日本ハム連合に軍配を上げたい。動物ウィンナーの景品を通じてオマケで飾り切りの奥深さを世の主婦達に啓蒙した、という話はきかないけど、タコウィンナーをフィギュア化してしまおうという発想は称賛に値するからだ。

おそらく日本中にこの8種類をフルコンプした人はいないだろう。そしてタコは冷蔵庫のメモ留めに使われ、何の景品だったか思い出されることなく日常の中で薄汚れていくのだ。

冷蔵庫にタコ


(註)さらに日本ハムのウェブサイトには27種類の飾り切りが紹介されている。中にはバニーウサギちゃんなる渋いものも。