![]() 中本 晋輔 特定人物の名前がついたコーラというのは極めて稀である。しかし世の中には、そろってその名前をコーラに冠した夫婦がいる。アメリカ第42代大統領ビル・クリントンと、その妻ヒラリー・クリントンである。 ビル・クリントン大統領の陣営が選挙活動の一環としてコーラを作成したのは1996年。4年間の任期を終え、再選を目指している時だ。ホワイトハウスのイラストとCOLAの“O”から一国の大統領が顔を出すという演出、そしてそのイラストの出来の悪さが話題となった。 そして2008年夏に発売されたのが妻ヒラリー・クリントンのCAPITOL HILARRY COLAである。時は米大統領選挙の予備選の真っ最中。ヒラリー候補がオバマと激しい指名権争いを演じていた頃だ。ラベルには星条旗をバックに笑うヒラリー候補の写真が使われており、ダンナの時よりずいぶんと垢ぬけたデザインになった。ちなみにCAPITOLとはアメリカの国会議事堂の意味らしい。 このコーラを作ったのはアメリカのJONES COLA CO.。同社はヒラリーだけでなくライバルのオバマ候補、共和党のマケイン候補とのコラボコーラも発売している。中身はJONES PURE CANE COLAだが候補によって名称が異なり、マケインは韻を踏んだ「PURE McCAIN Cola」。オバマ候補は当然「YES WE CAN COLA」だ。 JONES SODAはラベルの写真を公募しており、同じ製品でも写真の異なるバージョンが複数存在するというコレクター泣かせの飲料メーカー。また希望する写真をラベルにしてくれる有料サービスも展開中だ(註:発送は米国内のみ)。このコーラの発売でかなり知名度が上がったというのだから、JONESの着眼点はなかなか鋭い。 |