コーラ白書
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中本 晋輔

空気が澄んでいる。

空はセルリアンブルーに染まり、眼下では街の灯が瞬きを始めた。雄大な弧を描く大阪湾と、そのはるか向こうに浮かぶ空港の灯までがはっきりと見える。

六甲山ホテルのバー「TOP OF ROKKO」には、その名に相応しい眺望がある。

まだ時間が早いせいか、カウンターに他の客はいない。この夜景を独占できるというのはこれ以上ない贅沢だ。

キューバ・リブレはメニューにも見つけることができた。頼むと、すぐに冷えたコカ・コーラのコンツールボトルとBACARDYの淡い瓶が磨かれたカウンターに並んだ。

シンプルなトールグラスに注がれたキューバ・リブレは力強く、飾り気のない味わい。それでいて飽きさせないのは、絶妙なライムの酸味のせいだろう。バーテンダーは普通に作っただけですよと笑うが、これぞバランスの妙である。

あまり長居するつもりではなかったが、居心地のよさに杯が進む。2杯目を空けた頃には、濃紺色の空の下で街の灯が宝石のように煌めいていた。


◇ ◇ ◇

 

今月のキューバ・リブレ

六甲山ホテル スカイラウンジ
「TOP OF ROKKO」

1200円