コーラ白書
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しまなみ海道 − 広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ全長約70kmの「海の道」だ。

そのしまなみ海道に併設された「瀬戸内海横断自転車道」は、日本で初めての海峡横断自転車道。風光明媚な景観が楽しめると人気の高いサイクリングコースである。

そしてその途中にある島々には、古きよき時代のコカ・コーラサインが数多く残るという。そんな噂に誘われ、中本は70kmの自転車走破に挑むことにした。

※取材の内容は2009年のものです 

 


 

基本私は自転車に乗らない。家にあるのは実家から払い下げられた錆びたママチャリは、月に一度のイトーヨードー冷凍食品半額セールの日に活躍する程度だ。だから自転車で70km走というのがどの程度のものなのか、実はイマイチ理解していない。

幸い瀬戸内海横断自転車道ではレンタサイクルサービスが充実していて、ママチャリを含め色々な種類の自転車が用意されている。また追加料金を払えば到着地で乗り捨てることも可能らしい。折りたたみ式の自転車とかアーモンド形のヘルメットとか、パッツンパッツンのズボンなどは購入しなくても挑戦できるようだ。

今回の取材は今治から尾道へ北上するルートを選択。道半ばでリタイヤしても、とりあえず四国側の看板だけは抑えることができる。

 

今治散策

大阪から今治までは高速バス「いしずちライナー」で6時間ほど。行ったその日に自転車で走るのは素人の身には厳しそうなので、前泊して翌日朝早くにスタートすることにした。

今治駅に到着したのが午後4時前。快晴とまではいかないが、天気は決して悪くない。これなら明日も雨の心配はないだろう。

夕食まで少し時間があったので、今治の街を散策することにした。

今治城の周辺には、昔ながらの商店がいくつか残っている。興味深いことに、その看板のほとんどにコカ・コーラのロゴが入っているのだ。ロゴの多くは白と赤のダイナミックリボンのあるタイプで、80年代に設置されたものと推測される。

これはおそらく、四国コカコーラボトリングの地道な販促活動の名残なのだろう。明日も期待が持てそうである。

今治城の天守閣から来島海峡大橋を臨む

 

いざ海の道へ

5月9日。晴れ。なんだか暑くなりそうだ。

まずホテルからタクシーでサンライズ糸山へと向かう。サンライズ糸山は大島をのぞむ小高い丘の上にある大型サイクリングターミナルだ。市内でも自転車を借りることができるが、いきなりの上り坂がしんどそうだったのでギリギリからスタートすることにした。

今回借りたのは27インチのママチャリ。ロードレーサータイプもあったけれど、普段乗りなれてるタイプを選択した。ほら、カゴもついてるし、3段だけどギアもあるし。

自転車のレンタル料は1日500円。今回は目的地の尾道で乗り捨てるので、これに加え1000円が必要だ。これとは別にそれぞれの橋で通行料が必要なので、500円の回数券(50円券が10枚連なったもの)をレンタルカウンターで購入する。一人トータル2000円で半日楽しめるのだからリーズナブルだ。

係員のおっちゃんによると、尾道の駅前にある返却場は午後6時に閉まるとのこと。食事や休憩をを差し引いても7時間で70kmを走破すればよい計算になる。時速10kmなら余裕だろうと、とたんに気が大きくなる。

しかしこのコースが素人には結構キツいことを、この時は知る由もなかった・・・

 

瀬戸内の絶景

サンライズ糸山から自転車用の細い高架を通って瀬戸内海横断自転車道に入る。今治造船の巨大なドックを眼下に眺めながら5分ほど走ると第一の橋、来島海峡大橋がその姿を現した。

高速と併走する橋からの眺めは、まさに絶景。欄干の向こうには、大小様々な島が連なる瀬戸内の海が広がる。それを地上50mの高さから見るのだから、見晴らしは最高なのだ。人気のサイクリングコースというのも納得だ。

全長4kmを超える三連吊り橋。写真下の手前側が自転車道になっている。

 

瀬戸内海横断自転車道がしまなみ海道(自動車道)と併走するのは、島と島の間の橋だけ。自動車道はまっすぐ島をつっきるのだが、自転車は橋が終わると島に下りる。そして次の橋までは一般道を走る仕様なのだ。

来島海峡大橋が終わると、自転車道は車道から車道と分かれて島へと降りてゆく。長い下り坂を降りると、そこは大島最南端の町・吉海町だ。

島の街並みは、やはり今治のそれとは少し趣きが異なる。どこかのんびりした雰囲気があるのだ。

そしてコカ・コーラの看板も確かに多い。食堂や商店など、あらゆる看板にコカ・コーラのロゴが入っているのだ。ペプシやサントリーなどの飲料系はもちろん、他業種の看板もほとんどない。文字通りコカ・コーラだけの街だった。

大島にある看板。池田さんはもうお酒を扱っていないのだろうか?

ロゴのタイプから判断すると、ここの看板も今治と同じ80年頃のものである。来島海峡大橋の開通が1999年なので、まだフェリーでしか渡れなかった頃からコカ・コーラはこの地に看板を設置していたことになる。

 

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