Topics! May. 29, 2000
欧州・アメリカとダイエット飲料に革命を起こした新甘味料「acesulfame K」がついに日本にやってきた。5月23にリニューアル発売されたdiet PEPSIにこの新甘味料が採用されることになった。
Acesulfame K（邦名アセスルファムK）は1967年ドイツで発見された甘味料で、砂糖の約200倍の甘味度を持つことで知られている。単独では苦味を持つため清涼飲料には適さないものの、アスパルテームと混ぜることにより味質の大幅な改善が見られることから注目されていた。90年代後半よりヨーロッパ、アメリカで相次いでこの混合甘味料のコーラが発売されており、日本での認可が待たれていた（詳しくはコーラ四季報7月号「甘味料概論3」参照のこと）。
エステル基を持つアスパルテームと違いアセスルファムKは酸性条件でも比較的分解されにくい性質があり、このためこれまで４ヶ月（！）だったdiet PEPSIの賞味期限が7ヶ月（PETで6ヶ月）に延長されている。でもアスパルテームはやっぱり壊れていくので早く飲むに越したことは無いだろう。
今回PEPSIはdiet PEPSIを全面的に混合甘味料に切り替え、パッケージもリニューアルした。これはdiet PEPSIをそのまま残し、混合甘味料を使用した新ダイエットコーラブランド「PEPSI ONE」を設立した米PEPSIよりもむしろ米Coca-Colaに近い戦略であるといえる。このあたり日本のペプシが本社と独立したポリシーを持っていることが伺えて興味深い。
この魅力的な新ダイエットコーラについては次回のデータベース更新（6月初旬予定）で取り上げる予定である。
（中本 晋輔）
